「緊急事態宣言が発令されて“3密”を避けるよう求められている今も、都内では開店前から行列を作っている人気店が見受けられます。今後、ドラマに触発されて“食べに行こう”と外出する人が増えないとも言い切れない。下手すれば行列を“助長”することになるかも」(情報番組ディレクター)

 コロナ禍で外出自粛が促される昨今、感染リスクを高めるシチュエーションとして、薬局やドラッグストア、スーパーなどに並ぶ「行列」が何かと問題になっている。それはラーメン店を含めた人気飲食店でも同様に言えることだろう。

 ただでさえ、タイトルが『行列の女神』だ。

 ドラマ放送後の平日、記者はグルメレビューサイト『食べログ』で“星3.8以上”と評価される超人気ラーメン店に足を運んだ。11時半の開店までは30分以上あったにもかかわらず、店の前にはすでに10人近くが並んでいる。列の先頭で待つ客に話を聞くと、

「(並び始めたのは)10時半くらいですね。ええ、常連です。いつも(コロナ前)はもっと並ぶのは早いけど、今はこのくらいの時間でも入れますよ。(それでも食べたい?)う〜ん、食べたいですね(苦笑)。並ぶ時間も含めてラーメンというか」

 ラーメンの誘惑に抗えなかったようだ。一方で、ラーメン店も感染防止対策をしていないわけではない。

「営業時間の短縮や入店制限、並ぶ際にも“ソーシャル・ディスタンス”をとるよう呼び掛る店が多いですね。中には、カウンターに座るお客さん同士のあいだに、手作りの仕切りを設置したりと、涙ぐましい努力をする店もあります。休業補償が曖昧な今、店を開けるしかないのが正直なところでしょう」(ラーメンライター)

 もちろん、行列に並んでいる人全員がドラマを見たのではないだろう。しかし、作品が話題になるほど、触発される人も増えていく可能性もあるのだ。

ロケ地の中華料理店を訪れると

 また、この手のドラマでは、劇中に登場した実店舗に視聴者が食べに行く、いわゆる“聖地巡礼”が起きやすい面もある。

新宿御苑からほど近い北京飯店。現在はお持ち帰りメニューも開始
新宿御苑からほど近い北京飯店。現在はお持ち帰りメニューも開始
【写真】肩出し大胆ドレスの鈴木京香がこぼれそう

 第1話で、泉谷しげるが店主役を務めた中華料理店のロケ地となった、新宿御苑近くの『北京飯店』を実際に訪れた。

 ドラマのなかで登場した「もやしめん」ならぬ、同店の「もやしそば(750円税込み)」を注文する。取材と称して久方ぶりの熱々グルメを食しつつ、女将さんに話を聞いた。

 店内には多くの芸能人のサインが飾られている。

「よくテレビの撮影で使ってくれるんだけど、いつもは“見ましたよ”というお客さんがたくさん来てくれるんだけどね。(らーめん才遊記の撮影は)2月のアタマごろだったかな。

 その時はお客さんも普通に来ていたけども、3月になってからは本当にぱったり。ほら、通りにも人が少ないでしょう。今回はタイミングが悪かったかな。でも、コロナが落ち着いた後に“ドラマ見たよ”って来てくれればうれしいですけどね」