レターパックでお見舞いの品を

 会えない状況の中、こんな行動を取った男性もいます。

 常雄さん(40歳、仮名)が、おつきあいしている由美香さん(35歳、仮名)は、病院に併設されている調理場で病院食を作っている栄養士さんでした。

 あるとき、由美香さんから、こんなLINEがきました。

『熱が37.5度あって、下がらないんです。もしかしたらコロナに感染したかもしれない。明日からは病院には行かずに、家で休養します』

 常雄さんは、心配でたまりませんでした。でも、こんなときこそ、そっと見守りたいと思いました。そこで、こんなLINEを入れました。

『心配だからLINEを入れるけれど、返信はいつでもいいよ。お見舞いの品をレターパックで送りました』

 レターパックは、ポストに投函されるので、郵便局員と対面することもなく、投函されたら好きなときに郵便ポストで受け取ることができます。

 中には、癒し系音楽のCDと動物の写真集を入れたそうです。そして、こんなメッセージを添えました。

『今は回復することだけを考えて、仕事から離れてゆっくり休んでください。何か僕にできることがあったら言ってね』

 その日からLINEを入れるときは、『無理な返信はしなくていいよ』のひと言を必ず添えました。

 幸い熱はすぐに下がり、PCR検査の結果も陰性だったようです。

 緊急事態宣言が延びた今、もしかしたら会えるのは、6月になってしまうかもしれない。会えるようになる日まで、LINEでのやり取りは彼女のペースに合わせて続けていくそうです。