結婚できるのは、婚活することに努力できる人

 生活圏内で自然に出会って恋愛し、そこから結婚へと進むのと、婚活で出会って結婚まで進むのとでは、大きな違いがあります。

 生活圏内の出会いは、大学、会社、取引先、サークルなど、自分が生活している行動範囲でお相手に出会い、会話を交わしていくうちに恋心が芽生えるのです。つまりおつきあいするようになったときには、すでに相手のことをよく知っていますし、何よりも“好き”という気持ちが育っています。

 ところが、婚活の出会いは、“結婚をする”という目的のために出会います。1時間程度のお見合いをして交際になったとしても、相手のプロフィールは知っているものの、どんな人柄なのかはまだわかっていません。人柄を知るためには、LINEでもZoomでもリアルでも、とにかくたくさんのコミュニケーションを取らないといけないのです。

 先日、芳子さん(38歳、仮名)から、連絡が来ました。お見合いをした正貴さん(40歳、仮名)と交際になり、ファーストコールを済ませたのですが、それから全く連絡がないというのです。

「ファーストコールも、1分もしないうちに終わりました。『今、仕事が繁忙期なので、落ち着いたら連絡を入れます』とのことでした。そこから2週間経ちますが、全く連絡がありません。私から2度ほどLINEを入れましたが、返信がありません。私に興味がないのかもしれませんが、それなら“交際希望”を出さなければよかったのに」

 この連絡を受けて、正貴さんの相談室に私が電話を入れました。そして、状況をお話ししました。すると、正貴さんの相談室のカウンセラーさんが言いました。

「正貴さんは、とても仕事がお忙しい方で、以前もこのようなことがあったんですよ。連絡をしてみますが、仕事が忙しいと私どもにもお返事もないことがあります」

 40歳という年齢は、働き盛りですし、会社でも主要なポストを任されているのでしょう。でも、忙しくなると婚活は放ってしまい仕事に没頭する。そんなことを繰り返していたら、何年婚活をしても結婚にはたどり着きません。

 例えば会社の同期で、同じ仕事量をこなしているAさん、Bさんがいたとします。Aさんはどんなに仕事が忙しくても、恋人を作り結婚して子どもにも恵まれ、幸せな家庭を築いていた。Bさんは、ただただ仕事に追われ独身のまま歳を重ねた。この2人は何が違うのかというと、Aさんは、仕事と結婚して家庭を築くことを同列で考えていたのです。Bさんは仕事のみに翻弄されていたのです。

 婚活を成功させたいなら、お相手に会う時間を作り出し、コミュニケーションを取って、気持ちを重ねていく努力をすることが大切です。この努力を怠ったら、婚活で何百人と出会っても、結婚はできません。