「料理は女性が作るもの」という根強い固定観念

 また、揉めている原因が料理というのも厄介です。日本は「料理は女性が作るもの」という固定観念が強く、宗教もしくは呪いの域に達しているのではないでしょうか。

 夫婦問題研究家であり、ご自身も2回の離婚経験がある岡野あつこセンセイは2019年10月21日のオフィシャルブログで、夫の浮気に悩む女性に対して《お料理の腕をぐんと上げて、夫の胃袋を掴んでしまうのもいいかもしれませんよ》と書いています。

 2018年放送の『Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース』(AbemaTV)で、ラブヘルスカウンセラーの小室友里センセイは、夫から拒否されるタイプのセックスレスを回避するために「夕食のおかずを1品増やす」ことをすすめています。

 平成の大横綱・貴乃花の元夫人で、元フジテレビアナウンサー・河野景子は2000年に『ピンチも料理で救われます。』(世界文化社)を発売しています。2020年現在、貴乃花一家はあんまり救われてないように感じますが、とりあえず、日本では不倫もセックスレスもピンチも女性の料理で防止できることになっているようです。

 それではデパ地下でお惣菜を買う既婚女性は、みんな夫に不倫されてセックスレスなのかとつっこみたい気持ちになりますが、『ノンストップ!』で熊田もお姑さんに「胃袋をつかめ」と指導されたこと、料理を作らなくなったら、「夫が帰ってこなくなるのではないか」と不安に思っていることを明かしていました。

 熊田が「夫の胃袋をつかめば、オールオッケー」教徒であるのなら、その道を突き進めばいいと思います。しかし、実際には結婚8年目と結構な年月が経っているにもかかわらず、全然つかめていない。これはなかなかヤバい状態と言えるでしょう。

 そこに見え隠れするのは、熊田の頑固さではないでしょうか。熊田の料理の目的が「夫においしいと言われること」であり、その夫が、手間暇かけた料理よりも刺身とサラダがいいと明言しているなら、それを用意すればいいと思うのです。

 インスタを見ていると、熊田の料理は肉じゃが率が高い気がしますが、夫の好みを無視して自分好みの料理を作り「私はちゃんと作っているのに、食べない」と言い続けても、そりゃ食べないよね、好きじゃないんだからという堂々巡りにしかならないでしょう。