小さな虫でも、失明や死の危険が

 名称こそ日本中の知るところだが、実態がいまだにわからないのが、’17年に日本に初上陸した南米原産の強毒アリ、ヒアリだ。6月以降、国内での発見が相次いでいる。

 国立環境研究所の生物・生態系環境研究センターの五箇公一室長が解説する。

「尻の毒針で刺されるとアナフィラキシーショックを起こし死に至ることもあります」

 市中で営巣されれば退治が困難なヒアリだが、

「今回、青海埠頭ではコンクリートの割れ目で見つかったので、今までとはパターンが違う。東京の環境に適応しているおそれがある」(五箇室長)

 と注視。さらに、

「五輪開催に合わせ会場建設がありました。1度空き地になると生態系がリセットされヒアリの競争相手がいなくなり、一気に広がるおそれがあります。緑化のために運んだ土壌にヒアリがまじる可能性もあり、警戒が必要です」

 五箇室長がヒアリ同様、注意を払っているのはマダニだ。

シカやイノシシが人里に下りてきて、緑地などにマダニを運んでいる。マダニに媒介されるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という感染症の患者数が、昨年は過去最多の102件でした。感染すると高熱を発症します。ワクチンなどの特効薬がなく、身体の弱い高齢者や病人は亡くなることも。感染者の死亡率は20~30%と危険です」

 マダニが原因でペットが死ぬ例もあるという。

「(SFTSに)感染した猫を介抱した飼い主まで感染し亡くなったケースもあります。犬を噛んだマダニを素手で取り除いたために感染し、失明した人もいます」(五箇室長)

マダニ。体長が3~8ミリほど(アース製薬提供)
【写真】通称“スケベ虫”に刺された女性の脚が悲惨!

 外出先からいつ、ペットがマダニを連れて帰ってくるかわからないから恐ろしい。

蚊やマダニなど、虫よけには『サラテクト』という製品がオススメです。スプレーを手でしっかり塗り広げると、感染症予防に有効です」(前出・アース製薬の中辻さん)