人には無害だけど……食卓を脅かすやっかいな虫も

 2年前から、アラビア半島を中心にバッタが大量発生している。インド西部まで到達しており、やがて日本に襲来するのではないかと心配されている。

 昆虫学が専門の東京農業大学の足達太郎教授は、

「サバクトビバッタは普段、ばらばらに生活しています。しかし、季節はずれの大雨が原因で大量発生すると獰猛になり、集団で移動を始めます」

 と解説。各国で農作物を食べ尽くし、農業に深刻な打撃を与えている。日本への影響は?

「バッタの大量発生は過去に何度もありました。ヒマラヤを越えて日本に到達したことは1度もなく、今後もないでしょう」

 日本に飛来して農業に被害を与える害虫はほかに存在する。

 昆虫の行動に詳しい岡山大学の宮竹貴久教授によると、

毎年初夏くらいに、稲を枯らしたり病気を広めたりするウンカという昆虫が東南アジアなどから飛んできます。発生が多い年は収穫量が大きく減ってしまうので、未然に対策できるよう防除員が見回りをしています

 ウンカ以外にも日本にたどり着く虫はいるようで、

「同時期にミバエ(ミカンコミバエ)という昆虫がやってきます。柑橘類に孵化し、幼虫が果実を食べるので、蔓延すると県単位で流通できなくなります」

オレンジに産卵するミバエのメスの成虫(宮竹貴久教授提供)
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 そうならないために、国や地域は対策を練る。

「フェロモンを使ってミバエをおびき寄せ、駆除しています。そのため毎年、大規模な侵入は防げています」(宮竹教授)

 どれも人に直接の害はない虫だが、われわれの食卓を脅かすかもしれない存在だ。