ピンクサロンで働く20代の女性はこう証言する。

「店では入り口での検温や消毒はもちろん、いまはお客さんが少ないこともあり、密にならないようにしています。お客さんの身体や自分の口をふくときはより入念に行います。それでも自分は風邪もひきやすいし怖い。でも、“私は絶対にかからないんだ”といい聞かせてやっています」

 デリバリーヘルス『贅沢なひととき』(東京)のひなさん(23)は、

「アルコール消毒や手洗い、うがいを徹底して、感染リスクを最小限にする措置をとっています。それでも感染する可能性はゼロではないので、通勤のために出歩くのも怖いなと感じている」

 と説明する。

彼女たちの生きる術

 東京・池袋のSMクラブ『無我』は、消毒をコロナ以前からやっていたと明かす。

「検温、マスク、密を避けるなどを求めた『感染防止徹底宣言』の認可を都に申請して、その紙を店に貼っています」

 さらに、7月中旬からは2か月に1回、抗体検査をすべての従業員に行うことに。

「PCR検査はなかなかできず、抗原検査も一般的ではないので、抗体検査にしました。全員が陰性だったので、ホッとしました。過去にうちの従業員からお客さまに感染させた可能性は低いですよね。 

 万が一、感染者が出たら、もちろん公表して、店もしばらく休業します。うちのお客さまは70~80代の高齢者が多いので、安心、安全がお客さまとのいちばんの信頼関係につながると考えています」(無我)

 逆に客側が“対策”をとっていることもある。

「お客さまからマスクをするから、キスはなしと言われる方もいらっしゃいます」(前出・ひなさん)

 このような面倒やリスクをかえりみず、なぜ風俗嬢たちは働き続けるのか?

「昼にアルバイトをしていますが、コロナの影響で仕事が減った。生活していくためには、感染が怖くてもやらざるをえない」(前出・ピンサロ嬢) 

 都内の別のデリヘル嬢は、

「私も昼の仕事を契約社員でやっているが、給料が足りない。好きなジムや、趣味の釣りに行けなくなってしまう」

 と生活レベルを落としたくないと嘆く。

風俗の女の子は、この仕事でしか自分を見いだせない子もいるのが現状。コロナの感染者が出たから辞めろと言われても、それでは彼女たちの生きる術を奪うことになる」

 と、前出の松本さんは彼女たちへの理解を求める。