藤井聡太棋聖が注目を浴びる以前。人気、実力はさることながら、さまざまな話題で注目を浴び続けた棋士がいた。彼女の言動の次の一手が読めず、人々はみな首を傾げた。そんな彼女は現在、何をし、何を思っているのか。“女”を描かせたら日本一の作家が、彼女の本質に挑む。世紀の対局の結果はいかに―。作家・岩井志麻子が彼女の本質に迫る!

「私は鳥になりたい」

 初めて林葉直子さんと直接のコンタクトが取れたのは、担当の編集Yさんと東京は池袋のドン・キホーテ店内を回っているときだった。

 Yさんと林葉さんが電話でやりとりし、ちょうど今ここに志麻子さんもいますよ、代わります、となってのことだった。

 なんでドン・キホーテにいたかというと、よく知られていることのひとつとして林葉さんは、南国の鮮やかにして美声の鳥を飼っておられる。その名も、バッチャマン。

 そして岩井志麻子といえば、ヒョウのオバサンだ。ヒョウの着ぐるみでよくテレビに出ているのを知った林葉さんが、明るく礼儀正しい口調で、

「じゃあ、お会いするとき私は鳥になりたい」

 などといってきてくれたそうなのだ。ノリのよさに驚き感激しつつ、鳥の被り物や着ぐるみがないかと店内を探し回っていたのだ。

 こちらもあらかじめ、テリー伊藤さんと出た番組などを見て、林葉さんがノリノリでふざけたまねもやってくださる方だとは把握していたが、本当なのだった。

 やっぱりこの人は評判どおり、ひたすらサービス精神旺盛できまじめな人なんだと再確認できた。

 その後しばらくして初めて対面したときも、変なところで遠慮や小心さを発揮する私は、林葉さんを一躍有名にしたかなり年上の既婚男性との不倫騒動について、聞いていいものかどうかかなり躊躇った。

 それは話せないと拒絶されてもしかたないと覚悟しつつ恐る恐る切り出してみれば。

「彼はエッチのときいつも、ランニングシャツ着てたんですよ。もちろん下は脱いでるんだけど、頑なに上半身は裸にならない。だから彼と別れた後に違う男性といたしたとき、その人が全裸になっててびっくり。お乳が見えてる~、キャー恥ずかしい、となっちゃった。考えてみれば、そちらのほうが普通、お乳が見えてるほうが一般的なんですよねぇ」

 などとやっぱりノリノリで笑い話にしてしまい、素直に大笑いさせられてしまった。