『スシロー』に美味しさの“裏側”を直撃!

 ネタの原価率、約50%で回転寿司業界最高水準といわれる『スシロー』。うまさへのこだわりを『スシロー』広報課に聞くと─。

「1軒の立ちの寿司屋から始まった『スシロー』は、ネタの目利きと仕入れ力が最大の強みです。仕入れだけではなく店内調理のひと手間をかけ、こだわりのネタをいちばんいい状態で提供できるよう努めています。

 毎週行われる新商品のプレゼンでは1度に10~15商品提案されています。年間約600種類の試作品を開発し、さまざまなプレゼンや会議を経て、最終的に全国での販売に結びつくのは、たったの約70商品です。店舗で販売されているお寿司は、この狭き門をくぐり抜けた厳選された商品になります。

「開店寿司界の巨人」『スシロー』
「開店寿司界の巨人」『スシロー』
【写真】原価率の高い「寿司ネタ神7」ランキング表

 また、スシローでは店内調理に力を入れており、店内でスライスするネタもあります。特に鮮魚と呼ばれる、ハマチ(ブリ)・タイなどは皮がついた状態で納品され、その皮を引く作業(皮引き)は鮮度とうまみにこだわり、店舗で提供前に行っています。

 多くのスタッフは入社時にはそのスキルはありませんが、店舗の社員が教育やサポートをすることで、店舗ごとに複数人、皮引きができるスタッフを育てています。

 そのほかのネタも同じく、入社時には包丁を握る機会がなくても、日々の積みかさねでまるで職人のようにネタを切れるようになるスタッフもいます。

 店内調理をすることによって、ネタをよりよい状態でお客様に提供することができるため“うまい寿司”を追求する店内調理のひと手間は妥協しません」

 スシローのあまり知られていないオリジナルの食べ方や楽しみ方については、

「エビアボカドに甘だれをかける、カフェラテにとろっとプリンをのせる、アイスコーヒーにベルギーショコラアイスをのせる、などがおすすめ食べ合わせです」

 とのこと。さらに、レーンにしか出現しないレアなネタがあるとか。

「サイズが小さくお寿司にできない希少な部位を店内で漬けにして軍艦にした『まぼろしの倍盛り海鮮漬け』と、部位を指定しての注文ができないためレーンで流れてくるのを待つしかない『ハマチ(ハラミ)』を見つけたら、ぜひ食べてみてください」

 8月23日まで『スシロー』では、感謝の気持ちを込めて『大切りの夏! 100円の夏!』を 売切御免で開催。『大切りマグロ』は、『スシロー』で人気No.1のマグロがお値段そのまま、1・5倍の大切りで提供。中トロやタイも今だけ100円と、うまい寿司をお手軽に楽しめる。

《取材・文/我妻アヅ子》

PROFILE●坂口孝則(さかぐち・たかのり)●未来調達研究所株式会社取締役。大学卒業後、メーカーの調達部門に配属される。調達・購買、原価企画を担当し、バイヤーとして200社以上のコスト削減、原価企画を担当した仕入れなどの専門家。テレビ・ラジオでも活躍中。
PROFILE●米川伸生(よねかわ・のぶお)●回転寿司評論家。2007年、TVチャンピオン2『回転寿司通選手権』チャンピオンに輝く。回転寿司のスポークスマンとしてテレビや雑誌などで精力的に発信するほか、回転寿司店のコンサルティングをするなど、幅広く活躍している。