ケース(3)
『肉食』シニアが語る、マンネリ防止対策

 今年、初孫が生まれた内藤正孝さん(60歳・会社員=仮名)は、足繁くラブホテルに通う『肉食シニア』だ。

「イベント業という仕事柄、女性が多い環境なんです。若いころからモデルやタレントを口説きまくっていました。バレて妻から激怒されたこともありましたが、今も30代の『彼女』と週1ペースで会っていますよ」

 シティーホテルも利用するが、

「ラブホテルはマンネリ防止のために月2ペースで行きますね。無料で借りられるコスプレ衣装でのエッチに彼女がハマっているんです」

 と鼻の下を伸ばす。そんな内藤さんは“ある光景”に驚いた経験がある。

「先日、訪れた都内の某高級ラブホの駐車場は、平日昼間にもかかわらずベンツやフェラーリといった高級外国車でほぼ満車だったんです」

 さすがに日中に高い車に乗った若者が数多く来店しているとも考えられないため、「シニア客がかなり多いはず」と推測する。

「その様子に僕も“まだまだ頑張らないと”と刺激を受けました(笑)。今はジムに通い詰めて、コロナ太り解消に励んでいます」

 内藤さんの火遊びは続く。

ケース(4)
ベテラン従業員が見た“禁断の逢瀬”の最後

 栃木県内のラブホテルに勤める小谷晃代さん(68歳=仮名)は忘れられないカップルに出会った経験を明かす。

「毎月第3木曜日の11時、ラブホテルのフロント前で待ち合わせをしていた年配のカップルがいました」

 男性は70代、女性は60代。普段は電話もメールもままならない『道ならぬ恋』だったという。

「月1度だけ、互いの自宅から1時間以上も離れたうちのホテルで落ち合い、そして別れる。そんな人目を忍ぶ逢瀬をこの15年ほど続けてきたそうです」

 しかし、そんな2人の関係にも終わりが訪れた──。3か月ほど前の木曜日のこと。

「女性は何時間も待っていたのですが、彼はついに姿を見せませんでした。フロントの従業員がお茶を出し、お話を聞いていたんですが……」

 翌日、女性はひとりでホテルを訪れ、小谷さんに言った。

「今後、ラブホテルに足を運ぶことはないでしょうが、彼との思い出は死ぬまで胸に秘めていきたいと思っています、と話して帰られました。彼に何があったかは私たちには知る由もありません。寂しいやら、悲しいやら……」

 ──今日もラブホテルでは、さまざまな人生ドラマが繰り広げられている。

恋に年齢なんて関係ない!
シニア層の恋愛事情

 ラブホテルを利用するシニアの中には、50歳を越えてから付き合いだしたカップルもいる。

 出会いの場もさまざまだ。紹介やお見合いパーティー、同年代が集まる趣味のサークルなどがあげられる。

「お見合いパーティーで出会って大恋愛に発展することも。離別や死別後に年を重ね、老後を心配した子どもからすすめられたり、ひとりの寂しさや将来の不安から相手を探す方もいます」

 そう話すのは中高年向けの結婚相談所『太陽の会』の小野寺梨香さん。

 シニア層が目指すのはいつまでも手をつないで仲よく過ごす穏やかな老カップル。「いまさら相手なんて探さなくてもいいじゃない」という人もいるが、恋心も他人の温もりを求めるのにも年齢は関係ない。

「女性は恋をするとびっくりするほど若々しくきれいになります。パートナーがいない人は新しい恋を、相手がいるならその相手にもう1度恋をしてみてください。恋愛は心を豊かに、幸せな気持ちにしてくれますし毎日の生活に潤いを与えます。中高年の恋愛は決して恥ずかしいことではありません。一歩ふみだしましょう」