今後のテレビ出演はどうなる?

 ʼ19年、新井浩文が性的暴行事件を起こした際はイベントで、

「なぜ相手の女性とお話をして被害届を取り下げてもらわなかったのか。どうして逮捕までいってしまったのかわからない」

「(損害賠償などで)たくさんの方に迷惑をかけるなら、1,000万でも2,000万円でも(示談金を)差し上げて、円満解決すればよかった」

 数え出したらきりがない夫人の“舌禍”である。歯に衣着せぬ言動がテレビ番組で起用され続けている理由の1つでもあるのだが、生放送の出演に関しては“要注意”だという のはキー局プロデューサー。

80歳という高齢のせいなのか、今回のような昔の言い伝えみたいな話を信じ込んでしまっているところがありますね。そして間違っていると指摘されても、自分が正しいと譲らないところがあります。言い争うのも面倒くさいのでスタッフは流してしまうことが多く、それがよくないのかもしれません。

 昔は問題なかったが現在は放送禁止用語となっている言葉なども、気せず発言してしまうこともあり、そのたびに番組として謝罪しなければならないのは負担になります。ですからなるべく生放送に夫人を出演させないというのは各テレビ局共通の認識なんです。関テレがなぜ彼女を出演させ続けているのか疑問ですね」

 また生放送であっても、番組によっては社会ネタや時事ネタなどを扱う場合、本番前に入念な打ち合わせをしたうえでコメントにチェックが入り、不適切なものはNGとなる。出演者のコメントはきっちりと台本化されることもしばしば。夫人が本番であのような発言をしたのは、なぜか。打ち合わせがなかったか、スタッフの指示を無視したかのどちらかだろう。

 はたしてこの騒動をきっかけに、夫人のテレビ露出は減るのだろうか。

あの年齢でバラエティ番組で身体を張れる女性タレントなんてそうそういません。それに彼女は『元インドネシア大統領夫人』という正真正銘のセレブです。彼女の上をいくセレブタレントはいませんし、今後も出てくる可能性は少ない。テレビ側としては貴重な存在なんです」(前出・キー局プロデューサー)

 生放送の出演がちょっと少なくなるくらいで、活動にさほど影響もないのだという。

 19歳でインドネシアに渡って大統領夫人となり、わずか3年で軍事クーデターにより国を追われた夫人は、日本に戻り娘を出産。その後も波乱の人生を送り今に至っている。そのメンタルは並大抵ではないことがわかるが、謝罪を出した今回はさすがに堪えたということか。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。