理想とする結婚相手は

 地元・秋田県男鹿の伝統行事“ナマハゲ”に参加している途中に起こした失態から逃げるように上京したたすく。彼がふたたび自分と向き合っていく姿を描く今作。

 吉岡自身は悩みに直面しても逃げることなく、角度を変えて違う側面から見ることで解決してきた。だからこそ、理想とする結婚相手は、楽しいことも大変なことも一緒に笑って共有できる人。

「結婚、出産という言葉をよく聞く年齢になりました。母親になった友達に久々に会うと、すごく大人に感じるんです。その瞬間、急に置いていかれた気分になったりして。友達からは、“里帆はしっかりしてるよ”って言われるんですけど、私から見ると友達の慈愛に満ちた表情とか包容力にすごさを感じて。自分は母親になれるのかな? って思うことがあります。憧れますけど、私にはまだ先のことですね」

秋田ロケの思い出

 ロケ中、秋田出身の監督を応援する会の方々が、美味しい秋田料理を作ってくださいました。特に印象に残っているのは、男鹿の郷土料理・だまこ汁(きりたんぽ鍋の原型といわれ、きりたんぽのかわりに丸めたごはんを入れた鍋)。

 それと、入道崎という有名な岬の広大な自然の風景がすごくきれいなので、ぜひ見ていただきたいです。入道崎からホテルまで散歩がてらマネージャーさんと歩いたのですが、なかなかホテルにたどり着かなくて。「おかしいね」って言いながら2時間かけて帰ってきました(笑)。

ナマハゲ

 今回の作品に参加する前にナマハゲについて勉強しました。ナマハゲって、“怖い鬼がやってくるから1年いい子にしてなきゃダメよ”っていう子どもに対する戒めの印象が強かったんです。でも、今作での監督の解釈のように、父性の象徴でもあるのかもしれません。伝承していくものとしての重要性を感じました。

幸せを感じる瞬間

 仲のいいマネージャーさんと何げない話をして爆笑しているときが、すごく幸せです(笑)。本当にしょうもない話なんですけど、お腹を抱えて笑っているときが楽しくて。以前は、忙しい合間をぬって遊園地に行けた! うれしい、幸せって思っていたんですが、最近は、忙しい合間に生まれる笑いがうれしいです。幸せを感じるハードルが下がってきているのかもしれません(笑)。

(C)2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
(C)2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

『泣く子はいねぇが』
11月20日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ

スタイリスト/Maki Maruko
ヘアメイク/百合佐和子(SHISEIDO)
ブラウス:over lace、
スカート:LE CIEL BLUE