持病の悪化を放置しないで

 だが、あまりに感染を恐れすぎても別の問題が出てくる。持病の悪化だ。

「長期間、診療を受けられなかったことで、もともとの病気の悪化に気づかず過ごしていることもあります。自粛期間で活動量の低下あるいは食生活の乱れによって“血圧が上がった”“糖尿病が悪化した”患者さんに出会うこともしばしばあります。新型コロナウイルスを恐れるあまり、持病の悪化を放置してしまうことは地域のクリニックの医師が抱える懸念のひとつです」

 前出の田中医師は続ける。

「アメリカの報告ですが、新型コロナウイルス感染以外の病気の受診率、入院率が下がったようです。ただし、今年急に従来の病気が減っているとは考えにくく、治療や検査をせずに病気を抱えたまま過ごしている可能性があります

 基本的に受診は継続したほうがいいのだが、

「状態が安定していて病状のコントロールがうまくいっているのであれば、医師と相談してオンライン診断や電話再診を活用するのも手です」

 しかし、どうしても通院が必要な患者もいる。

「“発熱している”“発熱していない”で分けて、考えましょう」(田中医師)

 前者では受診予定のクリニックに電話。発熱対応をしているか、診察時間、待機場所など必要事項を確認する。

 後者でもあらかじめ電話をしたり、ネットで確認。クリニックがそれぞれで行っている感染症対策に従おう。

 さらに市販の風邪薬や胃薬などの常備薬も多めにストックしておこう。不調は早めに手を打って悪化させずに治すことも心がけること。

 また、巣ごもりが続くと気分が落ち込みやすくなり、ストレスもたまりがちに。前述したオンラインを活用して家族や友人の顔を見ながら積極的にコミュニケーションをとることも大切だ。

給与カットと増税で家計が火の車に

 感染だけでなく、経済の崩壊による生活の危機も深刻だ。倒産、希望退職募集、ボーナスカット、給与減、自殺者増大……そんな暗いニュースが連日、報じられている。

 小池百合子東京都知事は11月28日、都内の飲食店に対し20日間の時短営業を要請。大阪府も同様の要請を表明。さらに北海道や愛知県も続くとみられている。

感染拡大を呼びかける小池東京都知事。少人数・小一時間・小声・小皿・小まめの『5つの小』は話題になった=11月19日
【写真】覚えておきたい、小池都知事が提唱する「5つの小」

 経済ジャーナリストの荻原博子さんは、

「外出自粛で人の往来が少なくなり、時短営業になれば飲食店は大打撃を受けます。店舗が閉店して企業が倒産すれば、失業者も増える」

 緊急事態宣言が再び出されると、経済はますます危機的な状況に近づく。さらに、

「大手企業はすぐには潰れないだけの蓄えがあります。しかし中小零細企業や個人事業主は非常に厳しくなる。企業もお店も、生き延びるための体力を使い果たした来年の春先がいちばんきつくなるとみられています。救済策がなく感染者が増え続けて、経済が停滞したままならバタバタ倒産していくおそれがあります」

 飲食店や小売業のほか、インバウンド狙いの観光地や地方都市はさらに厳しい状況になるだろう。