夫婦そろってマイナスイメージに

 もうひとつは「元議員・宮崎謙介、懲りずに再度不貞行為発覚」である。2016年に妻・金子恵美の妊娠中にグラビアアイドルとの不倫が発覚し、議員を辞職。金子はこの騒動に対して言及した『許すチカラ』を出版。要するに、不貞を働いた夫を許し、今は幸せだとアピールしたわけだ。しかし、夫婦ともに元議員という肩書。今は何でメシを食ってるのかさっぱりわからん。ニーズがあること自体に疑問がある。

 その宮崎が再びやらかしたそうだ。地方在住の独身女性と高級ホテルで密会、マッサージを受けただけと苦しい言い訳を展開。宮崎は11月29日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に妻とともに出演。神妙な顔つきで登場するも、MCの太田光からは「番組としてはいい迷惑」と吐き捨てられ、ゲストのりゅうちぇるは嫌悪感を露にしていた。

2016年2月、不倫騒動を謝罪する宮崎謙介元衆議院議員
2016年2月、不倫騒動を謝罪する宮崎謙介元衆議院議員
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 本人いわく、「コロナ禍で相談を受けてきた。その女性からホテルを指定され、行き過ぎたコミュニケーションがあった」とな。完全にクロ。文春オンラインによれば、パンツ脱いどるし。

 興味深かったのは、薄口政治評論家・杉村太蔵の言葉。宮崎を「全身の毛穴からほとばしるほどの性欲がある方」と評し、男として同情するとコメント。太蔵のマウンティングでもあるけれど、宮崎に理性と知性がないことがよくわかる言葉だった。

 宮崎も渡部と同様、女性を邪険に扱い、見下している。本まで出して、懸命に擁護した妻がバカに見えるという、これまた見事なさげチンっぷり。それでも金子は番組内で「監督不行届で私が悪い部分もある。今後も文春さんには監視し続けてほしい」と話し、自著を宣伝するたくましい商魂と懐の深さをアピール。寛容な妻を演じ切ったのだ。

 しかし、知識と経験を売りにする元議員タレントとしては、燃え続ける粗大ゴミを家に置いておく理由がどこにあるのだろう「妊娠中に夫に浮気された」という女性の同情票が動くのも初回限り。2回目ともなると、「え、バカなの? 夫婦揃ってバカなの?」と思われかねない。マイナスイメージもつき始めたので、そろそろ計算し直す時機かも。

 どちらも「婦唱夫随」のパターンなのだが、宮崎は「不肖で負傷」、渡部は「不詳で不承」を呼ぶ結果に。ええ、ダジャレですよ。言いたくもなりますよ。不毛な謝罪には。

 夫婦の在り方はそれぞれだが、渡部と宮崎の件で「不倫夫に対して制裁を下さない妻」にも、うっかり飛び火することがわかった。この2例は、不倫よりも女性蔑視が問題の根深さであり、「そこ、許すまじ!」という義憤には私も賛同する。

「もはや病気では?」という意見もちらほら。両者の謝罪場面では「カウンセリング」「依存症」という言葉も登場していた。令和ならではの配慮でもある。でもさ、ゾッとするような女性蔑視は決して病気じゃない。病気を理由に逃げてはいけない気がする。必要なのは治療じゃなくて、海より深い反省と己の客観視だよね。
 
 そういえば、もうひとつ。こちらは深刻な要加療案件だ。奇天烈な夫に洗脳されたと噂の小林麻耶である。奇しくも「夫唱婦随」パターンではあるが、妻の評価を下げるどころか別次元へ。そっと見守るにしてもYouTubeが激しく異次元になっており、長く観ていたら呪われそうな気がする。夫に盲従するリスクを改めて確認させてもらった。

吉田 潮(よしだ・うしお)
1972年生まれ、千葉県船橋市出身。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。『週刊フジテレビ批評』(フジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。また、雑誌や新聞など連載を担当し、著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『くさらないイケメン図鑑』(河出書房新社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』『親の介護をしないとダメですか』(KKベストセラーズ)などがある。