出演が決まると……

 沼津での活動期間は半年ほどと短かったものの、退団後も交流は続いている。

役者の養成所に入るべきかと進路を相談されたとき、“この世界はどうなるかわからないから、とりあえず大学だけは出ておいたほうがいいよ”とアドバイスをしました」(武田さん)

 そんな先輩のアドバイスどおり、東京の大学に進学しながらフリーで演劇活動を続け見事チャンスをつかんだ磯村。今でも連絡をくれるそうだ。

「上京後、初めて出る舞台も連絡が来て見に行きましたね。『仮面ライダーゴースト』や『ひよっこ』が決まったときもメールが届きました。『ひよっこ』放送期間中に私たちが公演をしたときには、わざわざ両親と3人で差し入れを持って駆けつけてくれたんです。そのころはすでに顔も売れていたので、彼に気づいたお客さんが集まってきてしまったんですが、写真対応にも応じる神対応ぶりで、本当に律儀な子だなと思いました」(武田さん)

磯村勇斗の両親が経営するお店があった仲見世商店街(静岡県沼津市)
磯村勇斗の両親が経営するお店があった仲見世商店街(静岡県沼津市)
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 また『今日から俺は!! 劇場版』の撮影時には、

学生時代から通っていたベーカリーで、お気に入りの惣菜パンを撮影の差し入れとして、大量購入してくれたそうです。地元に帰ったときにはよく寄っているみたい」(前出・商店街関係者)

 多忙な毎日で、なかなか沼津へ帰ることができなくなってしまっても、地元の友人たちを大切にしているようだ。

昨年の冬だったかな。同級生らしきグループで飲みに来てくれました。バスケ部時代の話で盛り上がっていて、“お前ら最高だよ!”と、感極まっていたのが印象的でしたね」(居酒屋の店主)

 '16年にフォトブックを発売した際は、商店街にある書店でサイン会を開き、地元出身のスターを見るために近隣住民が殺到したという。

 “沼津のハヤト様”から人気俳優となった今でも、自分を育ててくれた人々と街に恩返しを続けていた─。