愛されキャラの「メッチャいい先生」

 教師としての評判はどうだったのか?

 30年ほど前に中学のバレー部で指導を受けたという元男子生徒が回想する。

「いいチーム作りをすると評判の先生でした。生徒にフレンドリーに接するタイプで、チームに強さを求めるより楽しいチームを作る人だった。当時のバレー部は地区大会で優勝するほど強かった」

30年前からバレー部で教えていた(元生徒提供)
【写真】指導熱心で評判だった、バレー部で教えていたころの容疑者

 指導熱心だったようで、

「普段はまったく怒らない人でしたが、私が補欠の部員に悪態をついたとき、厳しく叱ってくれました。あのとき学んだことが今も人生の糧(かて)になっていますね」

 最近になっても生徒の信頼は厚かった。前任の中学校の元男子生徒は、

「国語の授業担当で、教え方がうまくて優しいと人気でした。イジられキャラで、いろいろなあだ名をつけられていましたね」

 元女子生徒からは意外な評判が……。

メッチャいい先生でしたよ。愛されキャラで、可愛かった。

 印象的だったのは、2年前の体育祭。教師対抗の綱引きがあったんです。武井先生は黄色組で、黄色のTシャツに黄色のジャージ姿で、後ろのほうで引いていたんですけど、その様子がコロコロしていてメッチャ可愛くて。あんな事件を起こしたなんて、信じられない」

 取材に応じてくれた元教え子たちは口をそろえて「いい先生だった」と話すほど、容疑者の評判はよかった。

 しかし、かつての生徒と同じくらいの年齢の少女を狙い、わいせつ行為に及んでいた──。

伊勢原市内にある容疑者の自宅

 なぜ容疑者はこんなことをしてしまったのか。容疑者と同じ教員の妻に話を聞こうと自宅を訪ねたが、インターホンに電源が入っておらず、ドアノックにも反応はなかった。

 実家の母親も訪ねたが、記者が名刺を見せた瞬間、“バタン!”と玄関のドアを閉めてしまった。

 本当に子ども思いの先生であれば、少女の心に一生のトラウマを植え付けるようなことはしないはずだ。