渡部はいまだに謝りたくないのでは

『文春』の報道から半年が経ってからの会見ですが、渡部はいまだに謝りたくないんだなと私は感じました。たとえば渡部は「大変申し訳ない」と繰り返しながらも、不倫相手の女性について「ある方から紹介された」「遊べる女性だと聞いたのを真に受けて」と、かるーく「自分は騙された」というようなニュアンスを込めるのも忘れない。

『文春』報道が出た後、なぜすぐに記者会見を開かなかったのかという質問に対し、渡部は「『文春』のインタビューに応じ、そこで謝罪することで終息するのではないか、記者会見をしないで済むのではないか、今考えるとどう考えても逃げ」と答えています。芸能人の不倫は概してイメージダウンにつながりますが、渡部の場合、それにプラスして相手の女性が複数いたこと、多目的トイレという不適切で不衛生な場所に女性を呼び出して行為に及んでいるわけで、ほかの不倫報道と比べて「気持ち悪さ」は群を抜いていると言えるでしょう。『文春』にコメントを出したくらいで、そのヤバさがチャラになることはないと思います。

 ヤバいのは、テレビ局も一緒だと思います。もし本当に『ガキの使いやあらへんで!』が渡部にオファーをしていたのだとしたら、制作側は渡部で視聴率アップが見込めると思っていたということでしょう。番組はターゲットを男性視聴者に絞っているのかもしれませんが、「渡部が出る!」と聞いても、女性は「ぜひ見よう!」という気持ちにはならないと思います。

芸人のオンナ遊びが笑いになっていた10年前

 しかし、渡部とテレビ局が多目的トイレに女性を呼び出す“キモ不倫”を「たいしたことではない」と見くびる気持ちもわからないわけではないのです。

 今から10~20年前、テレビでは売れたオトコ芸人を指して、「あいつ、クラブで出会った女の子をトイレでヤッちゃった」というような暴露話がよくされていました。暴露された側は「おまえ、言うなよ。それなら、こっちも言うからな~」といった具合に、相手のオンナ遊びを暴露し返したりして、スタジオから笑いが起きるというのは、よくあることだったのです。

 どうしてそういった話が当時はOKだったかというと、女性を粗略に扱っても、引きも切らぬほど女性が寄ってくる、だからヤバいことをしてもいいというのが「売れっ子の特権」として黙認されていたからだと思います。

 具体例を挙げると、今から10年前の2010年の『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)で、千原ジュニアが「十数年前の時効の話」として、こんな話を披露しています。キム兄こと木村祐一とジュニア、女性の3人でキム兄の自宅で飲んでいたとき、キム兄が別室で女性と事に及ぼうとしたところ、女性が「そんなつもりじゃない」と言い、逃げようとした。怒ったキム兄が冷凍してあった鶏肉を女性に向かって投げつけたという話です。現代の感覚でいえば犯罪すれすれのヤバさですが、ほんの10年前はこれが“笑い”として成立していたのです。