「日本の飛行機以外は乗りたくない!」

 サッチーはおねだり上手なだけでなく、想像を超えた“厚かましさ”も持ち合わせていた。

「あたしの知り合いに美容整形の先生がいたんだけど、その先生に芸能人の友達を紹介して、シミやイボを取ってもらっていたのよ。サッチーも何度も通ったみたいなんだけど、お金を払っていなかったみたいでね。彼女に催促したら“私は野村沙知代よ。やらせてあげてるんだから、むしろ宣伝費をもらいたいくらいよ”とか言い出したの!」

毒舌バトルから逮捕まで世間をにぎわせた故・野村沙知代さん
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【写真】宿敵・サッチーと掲載されていた当時の週刊誌記事

 サッチーからの“負担”は増える一方だったが、面倒見のいい浅香はそれでも交流を続け、いつしかテレビ番組の企画として2人が取り上げられるほどに。

「韓国に料理を食べに行く食レポの番組で共演することになったんです。海外の安めな航空会社の便で出発しようとしたら、サッチーが“日本の飛行機以外は乗りたくない”って駄々をこねだして。飛行機を待たせているのにね。まぁ大変な方でしたよ」

 2人の関係に決定的な亀裂が入ったのは、’98年の舞台共演だった。

あるとき、サッチーをあたしの芝居に招待したの。見終わった後に彼女が“胸のすくような芝居でいいわね、私も踊りたい”って言うもんだから一緒に舞台やることになったのよ。劇場を押さえてチラシもポスターもできたってところで、サッチーがいきなり高額な出演料を要求してきてね。自分から舞台に出たいって言ってたのにね。なんとか工面して払ったわよ」

 こうして『ミッチーとサッチーのウルトラ熟女対決』と題した公演は幕を開けたが、そこでもトラブルは続く。

「彼女は自分で踊りができるって言ってたのに、これが全然できてなくてね。舞台中なのに彼女は知ってるお客さんに手を振ったりしていい加減だったのよ。しかたないから踊り出すタイミングを合図してあげたんだけど、“私のほうがうまいんだから指示出すな!”って本番中にケンカを仕掛けてきちゃって。そんなことばっかりだから仲が悪くなっちゃったのよ」