時代とともに変わるゲイの描写

 週刊女性座談会メンバーのエスムラルダさんがこれまでのBL作品を振り返る。

かつてのBL作品は暗め、だいたい悲劇で終わる、主人公はひどく苦悩している、という特徴がありました。例えば、高嶋政宏×西村和彦の『同窓会』(日本テレビ系/'93年)は、西村の相手役の山口達也が殺されてしまいます。同年の『あすなろ白書』(フジテレビ系)では西島秀俊筒井道隆に片思いし、トラックと衝突事故を起こし最終的に死亡という役」

『きらきらひかる』の豊川悦司(左)、筒井道隆。ちなみに筒井は『あすなろ白書』では西島に思いを寄せられる役
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 なお、同時期に映画界でも、『おこげ』や豊川悦司筒井道隆がカップルを演じる『きらきらひかる』などが上映された。

「今ではアパ不倫でおなじみの袴田吉彦のデビュー作『二十才の微熱』。ゲイバーで売春する大学生という役を初々しく演じました。田畑智子との間に2人目を授かったばかりの岡田義徳も『渚のシンドバッド』で苦悩するゲイの高校生役を熱演。その岡田を好きになるレイプされた女子高生が歌手になる前の浜崎あゆみです」(映画関係者)

 子どもが欲しい独身女性とゲイのカップルを描いたのが『ハッシュ!』('01年)。

「ヘタウマ画伯などと言われる前の正統派美形の田辺誠一を愛でることができます。当時、おしゃれで人気だったモデル出身の田辺くんがゲイ役を演じたこともあってか、これ以降第一線で活躍する俳優が抵抗なく演じられるような流れができました」(同)

 日本のBLドラマのあり方を劇的に変えたのが、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系/'18年)の登場だとエスムさん。

『おっさんずラブ』のメインキャスト、左から林遣都・田中圭・吉田鋼太郎 撮影/吉岡竜紀

田中圭くんをはじめ、キャストの演技や演出がひたすらポップで、その世界では男性が男性を好きなことが当たり前に受け止められていた。ある意味超ファンタジー。作り手がさほどゲイに詳しくないからこそなしえた世界だともいえます」

 肥えた視聴者の目をうならせた本格派が、よしながふみ原作の漫画『きのう何食べた?』(テレビ東京系/'19年)。

大人気『きのう何食べた?』のシロさんこと西島秀俊(左)とケンジこと内野聖陽(右)

 弁護士のシロさんと美容師のケンジの淡々とした日常が美味しそうなシロさんの手料理とともに丁寧に描かれていくのだが、

「配役発表のときはイメージと違うという意見もあった内野聖陽ですが、さすがの演技力で完全に役になりきり、今では内野さん以外は考えられませんね。また、カップル役の山本耕史磯村勇斗の2人も絶妙なハマり方で、磯村くん演じるジルベールは原作ファンからも絶賛でした。そして22歳のときに『あすなろ白書』で初めてゲイ役を演じた西島さんは、漫画のシロさんが肉体化したかのような佇まいで、さすがでしたね」(成田さん)