シングルマザーのシェアハウス

しげる「なるほど、それが紗里ちゃんの考え方なんだね! ところで今、紗里ちゃんはシングルマザーだよね? シンママたちの為のシェアハウスを始めたって話しを聞いていたんだけど、それは現在どうなってるの?」

紗里「面接をしていっています。動画のミーティングアプリで」

しげる「そのシェアハウスは、いわゆる一軒家的なもの? それともマンションの中で例えば四部屋あって……とかそういう感じ?」

紗里「一応プライベートで別々の部屋はあるんですけど、みんなが一つの家族として暮らす、みたいな。リビングは一つ、というイメージです」

しげる「それを始めようと思ったきっかけも聞いていいかな」

紗里「そうですね。一年前は私も、シングルマザーになるなんて思ってもいませんでした。でも離婚して。当事者になると、シングルマザーたちの悲しいニュースが耳に入ってくるようになったんです。当時は子どもを(過失や虐待で)亡くしてしまった彼女たちのことを“最低な母親じゃん”と思っていました。でも間違っていた。例えば、好きになった男性が“子どもと一緒じゃ嫌だ”といったとするじゃないですか

しげる「うんうん」

紗里「シンママとしては“この人を失ったら結婚できないかも”みたいになっちゃう人も大勢いるんだろうなと。そう思うと辛くなった。子どもと女性は男性からしてみれば所詮(しょせん)“弱者”な側面がある。そう思った時に“わああ”となり、見返すために起こしたのがこのシェアハウスプランだったんです

しげる「それは実体験があるからかな」

紗里「はい。やっぱり、いくら紗里のこと大事だっていってくれても、娘がいたら会いたがらない人もいたんです。その時に“あなたみたいな男がいるから、こういう風にシングルマザーは弱者だって見られるんだ”、“お金ないだろうなって見られているんだ”って思ったんです。見返す……というのは、そういった風潮や男社会に対して、ってニュアンスです」

しげる「特にいま、コロナでシングルマザーの方達への負担は半端ないと思うのよ、紗里ちゃんみたいな個人やNPOだけじゃなくて、国ももっと素早く、伝わりやすい対策をして欲しいよね。既に場所は決まっているの?」

紗里「決まってます」

しげる「そっか、これからの展開が楽しみだね、がんばってね。」

(後編に続く)