記憶に新しい『#リモラブ〜普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系・2020)では精神科医の役。ぶっきらぼうは封印、冷静と傾聴で、淡々と人々の悩みを受けとめる度量の広さを見せつけた。

 そして、今期では『その女、ジルバ』(フジテレビ系)、『俺の家の話』(TBS系)の2作に出演中。天涯孤独なアラフォー女の不安感や不器用さを繊細に演じる一方で、情に走りがちな男所帯を手厳しく合理的にまとめようとする長女役もこなしている。

「ぶっきらぼう」が、いい

 ドラマでの役柄はもちろんだが、江口自身、トーク番組やバラエティー番組で素の顔を見せたときも、期待を裏切らないぶっきらぼうだった。

 笑福亭鶴瓶のトーク番組『巷(チマタ)の噺』(テレビ東京系)は6年続く密かな人気番組だが、江口はかなり早い段階でゲストに呼ばれていた。「歯に衣着せぬ」というよりは「そっけなさ」「ぶっきらぼう」「飾らないにもほどがある」女優として、鶴瓶もどうやらお気に入りの様子。その後、何度も登場しているので、ほぼレギュラー(と私は思っている)。

 そういえば、『俺の家の話』の番宣でバラエティー番組にも出演。長瀬智也、桐谷健太、永山絢斗ら出演者同士でプレゼント交換をするという場面があった。江口に当たったのは、長瀬からのプレゼントで長州力のDVD……。

 こういうとき、たいていの女優はたとえ心の中では「いらねー!」と思っても、いかにも興味深そうな顔をして喜ぶフリをするものだが、江口は「なんで私に……」と困惑顔でぼやいた。ホント、正直。この女、信用できるな、と思った。ますます江口を好きになった瞬間でもある。