「噛もうとしたので、そうさせまいと頭を抑えた」

 大山田氏は、自らの視点から当時の“状況”を次のように説明する。

「アダムにはしつけをして“伏せ”ができるようにしてあります。その状態でお湯をかけたら、3回ぐらい暴れたんですよ。今までもずっと暴れていて、そのときはむしろ私がいるからおとなしかったんですね。3回目までは伏せをさせることができたんですが、4回目は錯乱するように大暴れが始まった。そのときにスタッフのAを噛もうとしたので、そうさせまいと頭を抑えました

 今回のアダム君のシャワーはAさんというスタッフが担当し、大山田氏はそれを手伝っていたという。

お湯をかける人がいなかったから、手伝ったのです。内部告発はやっていない人がしたものですよ。スタッフを守りたいですから、矛先が私になっていてよかったです。実際に飼い主さんが店に来たときは、“お前も首を絞めてやろうか!”“Aを殺すぞ!”と言ってきてすごかったんですよ。“この嘘つきが、下に降りろ!”とも怒鳴られました」

 言い方はよくなかったかもしれないが、大事にしていたペットがわけのわからない形で事故死とされてしまった状況もある。

「もちろん気持ちはわかります。でも、6か月預かったうち、家に連れて帰るのは月に2日。多くても4日ぐらいなんですよ。飼い主さんになつくわけがないですよね」

飼い主・奥さんのインスタグラム(@urim_ajp)より、元気だったころのアダム君
すべての写真を見る

飼い主と食い違う主張

 アダムはどのような犬だったのか。飼い主の奥さんは「おとなしい」と言っていたが、ここにも相違がある。

全然おとなしくないです。吠えて大変だったので、生徒には触らせることができませんでした。でもしつけはしなくていいと途中で言われてしまったので、それ以上のしつけはできなくなってしまったんです。昨年11月にイベントで子どもさんを招待したことがあり、そのときにアダムはしつけができているから大丈夫だと思って、放し飼いにしたんです。そしたら、子どもに向かって突進していくという事件が起きてしまった。そのときから危ないなと思っていました。40キロもある大型犬なので、噛むことはなくても危険なんですよ」

 さらには、預ける“理由”についても主張は双方で異なる。

「マンションで飼っていて、ドッグランのある一軒家に引っ越すはずが、頓挫したようなんです。それでほとんどこちらで預かっていました。料金については、実際に入金があったのは最初の2か月分だけで、その後の4か月は未納のまま。それどころか、別に“イブ”というプードルも飼っているんですが、その去勢手術費用も払ってもらっていません」

スタッフや学生は、社長とは違う

 奥さんに“内部告発”をした『わんわんハウス』のスタッフ・Bさんにも話を聞いた。ちょうど、警察の事情聴取から帰ってきたところだという。

「私はただ真実を語っているだけで、別に被害者側に立っている訳ではありません。警察が私に説明を求めてきたから応じたんです」

 Bさんは店を辞めることを考えていたが……。

このことがあり、辞められなくなったのです。ネット上で騒ぎになってからは、毎日誹謗中傷の電話対応にあたっています。“殴り込みに行くで!”とか、“社長を出せ!”と怒鳴り込んできますからね。店の前にも興味本位の方々が来ますし、1人のときは鍵をかけないと怖くていられません。防犯カメラも設置しました。学校の卒業生も迷惑していまして、就業先では、ここの卒業生であることで後ろ指をさされていると、私にたくさん問い合わせがきます。彼らを守るためにも、私たちスタッフや学生は、社長とは違うのだとアピールすることが必要だと思ったのです」(Bさん、以下同)