「アダムに凶暴性はなかった」

 大山田氏は、犬以上に「スタッフを守ることのほうを重んじている」と語っている。

「立場を考えれば社長の気持ちもわからなくはないですが、飼い主が見て納得するような世話をしなければいけない。大事な犬をどうやって気持ちよくさせるか、嫌なことを受け入れてもらえるかがトリマーの仕事だと思います。私は自分の犬を無理やり押さえつけたり、頭からお湯をかけるようなことはできません。

 社長は、トリミング時は座れないくらいきつくリードを張り、無理やり立たせる。首が苦しいから、バレリーナみたいにつま先立ちを強要されます。噛む犬に対しては効果的ですが、すべてにやるべき方法とは思えません。犬だって1匹、1匹性格が違うのです。噛まない犬に関しては首輪を外すべきです。

 シャワーにしても、いきなり頭からかけるのではなく、普通にシャンプーするだけなら、アダムだってさせてくれた。アダムは噛む犬ではないから、首を固定する必要はなかったんです。

 社長に何か意見を言うと、“私の学校なんだから、私のやり方に従って”と言われてしまう。でもそのやり方では、生徒の勤め先では通用しない。自分で考えさせなくてはダメなんです

 大山田氏は担当したスタッフはAさんであり、内部告発はやっていない人からだったと話している。

「詳細は生徒に聞きました。12月はじめにアダムを洗ったときは、社長のサポートを私がやりましたが、アダムのお腹が大きく膨らんでいました。頭からお湯をかけるので、たくさん飲んでしまったんです。アダムにとってシャワーは恐怖でしかなかったと思います。それと、実際にアダムの面倒を見たのは社長ではなく、私ともう1人のスタッフですよ。毎日見てきた中で、アダムに凶暴性はなかったことは断言できますね」

飼い主・奥さんのインスタグラム(@urim_ajp)より、元気だったころのアダム君
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大山田氏がなんと言おうと証言がある

 動物愛護法では、『愛護動物をみだりに殺し,又は傷つけた者は,2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられる』と定められている。つまり、それが“事故”であるならば、罪は認められないという解釈となってしまう。今回の“被害者”である奥さんは、この状況について次のように語る。

大山田氏がなんと言おうと、世間の人がどう思うかだと思っています。証言がこれだけあるなかで、彼女が“殺意なんてなかった”、“そういうことをしていない”と言ったとしても、証言がこれだけある。その証言を聞いた人が彼女の言っていることが正しいと思うのか、ということではないでしょうか。

 今はより多くの人に知ってもらうことで、こんなことをするサロンを利用しないようにしてほしい。僕にはそういったことしかできないと思っています。法律で裁けないのなら、みんなに知ってもらって、そういうところに行かないようにしてもらうことが一番なのかなと

 動物を愛する気持ちは、みんな同じなはず。新たな被害者が出ないことを切に願いたい。