2020年の調査 (第4回ジェクス・ジャパン・セックスサーベイ2020:調査対象は20歳から49歳の男女)によると、婚姻関係にあるカップルの“セックスレス化”が顕著だ。「セックスレスである」と答えた婚姻中の男女は、10年前の調査(日本家族計画協会調べ)では40・8%であったが、2020年ではなんと半数を超えて51・9%にのぼった。漫画の中だけでなく、いまやガチで2組に1組がレス夫婦なのだ。

 たしかに結婚生活が長くなると、それまで毎日のようにいたしていたコトが週1に、2~3週間に1度に……と減るのは仕方ない。加齢もあるが“いつでもコトをいたせる状況”に人は燃えないのだ。ちなみに一般的な「セックスレス」の定義は「1か月以上、セックスがないこと」。1か月という基準は厳しい気もするが、私、40代記者のまわりでも高齢者の病気自慢のごとくに「妻とは10年以上ない。彼女とは毎週」(50代男性)、「うちはセックスと仕事は家庭に持ち込まない主義」(40代女性)といった猛者夫婦のレス自慢が聞こえてくる。レスをこじらせるケースは実際、かなり多いのだ。

抱きたいとかじゃなくて家族

もう味も臭いも全部わかってる それに加えのども渇いてないのに飲めって言われてるみたいなんだよなぁ…》

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 スマホのバナー広告でもおなじみの漫画『あなたがしてくれなくても』(ハルノ晴・著)、主人公・みちの夫、陽一のセリフだ。妻との話し合いで訪れた喫茶店で注文したアイスコーヒーを前に、それを妻とのセックスに重ねる陽一。おいおい何言ってんだ~、失礼やんけ! と女子目線のツッコミを入れたものの、「わかる~」とひざを叩いた陽一(夫)サイドの男性読者もきっと多いのだろう。

「妻のことは嫌いじゃない。でも抱きたいとかじゃなくて家族。毎晩隣で寝てたらもうムラムラしないじゃーん」みたいな感じか。だから、みちと陽一の間に子はない。セックスしてないから。まぁ子づくりもあるけど、それ以前に愛されてる実感がほしい。女としての自信がほしい。そう考える妻の気持ちは、夫には届かない。男と女の間には、深くて暗~い川があるのだ。

 ちなみに冒頭であげた3作品の主人公夫婦はいずれも同じ。レスによって“妻だけ悶々(もんもん)”としているパターンだ。こんな夫婦はきっと少なくない。そういえば数年前に取材した某セックスレス互助会も会員は全員女性だった。本当に悩み抜いて、心を病んでしまった人もいた。ああ、セックスレス川、深すぎだよ! こじらせレス夫婦の行く末にはいったい何があるのだろうか。

夫婦問題研究家の岡野あつこさん

「レス夫婦の行きつく先は、だいたい不倫か離婚ですね」

 と教えてくれたのは、夫婦問題研究家の岡野あつこさん。多くの夫婦のレス問題に取り組んできた経験で、その先に起こるのは夫または妻の浮気(ほかのセックスパートナーを見つける)と語る。さらに日常的なケンカが増え、憎しみ合い、離婚にまで至ることも。

セックスレスに悩む妻からの相談は多いです。離婚相談にしても、詳しく聞けばセックスレスが根底にある。逆にどんなにケンカをしていても、セックスがうまくいっていれば愛情は伝わり、夫婦としての形は保たれるものです

 もちろん、互いの合意さえあればソレ抜きでも平穏な夫婦生活は送れるが、一方がそこを不満とすれば離婚原因にもなる。レスをこじらせている場合じゃなーい!

「夫婦関係を円満にするなら、まずはレスの解消を」

 え、それって具体的にどうすれば?