憂いを帯びた表情がどこかセクシーな遠藤憲一 撮影/伊藤和幸
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 コロナ禍ということもあり、鈴木となかなか会えない間にも書きためていたアイデアは、当初のものから大きく変更されたそう。

「つい最近、ドラマの撮影で鈴木くんと会う機会があったんだけど、“あの自主映画どうなりました?”って聞かれたから、“映画じゃなくて連続もの。主人公は、娘”って言ったらすごく驚いてた。書き始めてもう4年がたったけど、まだ内容が固まりきっていないもんだから、“遠藤さん……連続ものに変更したとして、このペースのままでいくと、完成まであと40年はかかりますよ!!”ってさ(笑)。映画なのかドラマになるのか、まだわからないけど、それを実現させるのが俺の今の夢かな」

この先もずっと「作り続けたい」

 見るだけでなく、最近は読書にも時間を使っている。芥川賞を受賞した宇佐美りんの小説『推し、燃ゆ』を読んでみたり、これまであまり読む機会のなかった漫画にも手を出し始めた、と話す。

「女房が買ってきた『女の園の星』って漫画が、すっごく面白くてさ! まず絵面(えづら)が気に入っちゃって読み進めたら、やたら笑っちゃった」

 尽きない探究心とあくなき好奇心が、遠藤の若さの秘密なのかもしれない。

「この先も、俳優はずっと続けたいです。演じ続けるというより、“作り続けたい”。こんな作品を、こういうスタッフさんと……って、企画の初期段階から携わっていけたら楽しいだろうなって。俳優をやりながら監督をやっている人も最近は増えたでしょう? そういうのに俺もチャレンジしてみたいな」

 生き生きと語る姿を見て、妻の昌子さんは、

「毎日のように飲み歩いてはすごく酔っ払って、帰ってこない日が続いたりしていたけれど、ここ数年でいろんなものから刺激を受けたり、勉強好きだったりする一面を見て“こういう人だったんだなぁ”って。何かを得るって重要ですよね。前よりは、彼とは接しやすくなったなと思っています」

 照れ隠しのように鼻で笑った遠藤は、「まだその作品が実現するかもわからないから、あんまり言わないようにしてたんだけどね」と続けた。

エンケンさん、大爆笑。取材中も温かい空気を作り、スタッフを和ませてくれた 撮影/伊藤和幸