「夫が高収入だから」口に出せないというリスク

 夫に暴力をふるわれたとき、周囲に打ち明けたり、適切な行動を即座に起こせる女性はごく少数派だと思います。暴力を振るわれた驚きや恐怖で二の足を踏んでしまうのでしょうが、特に夫の社会的地位が高い人ほど、逃げられないのではないでしょうか。

「社会的に成功している人は、立派な人物である」とか「男性の価値は、経済力である」というバイアスが強い人に話してしまうと「仕事が大変でストレスがたまっているから」「あなたの言い方が悪くて怒らせたんじゃない?」と暴力を振るわれた側が責められてしまうこともあるかもしれません。

 谷村のように夫が会社社長ということになれば、本人の社会的評価はもちろん、会社にも迷惑をかけることになりかねない。経済力や社会的影響力に著しい差があると、夫の報復を恐れて、声を上げることができなくなってしまう女性もいるでしょう。「夫が高収入だから」口に出せない、逃げられないというリスクも存在するのです。

 一般論で言えば、高収入男性との結婚生活に向いているのは、“沈黙力”の高い女性だと思います。配偶者に不満のない人はいないと思いますが、だからといって、それをベラベラ他人に打ち明けてしまうと、話に尾ひれがついたり、新たな嫉妬を買ったりとトラブルの元になりかねません。いろいろあっても、何もないような涼しい顔ができる人が向いていると思いますし、これは生まれついての能力だと思います。しかし、長所と短所は紙一重です。“沈黙力”が高い女性がDVの被害者になると、逃げ遅れてヤバいことになる可能性はありますから、ちょっとでもおかしいと思ったら、専門家の指示を仰いでほしいところです。

 そういえば、今週はじめに「元・高収入夫の妻」が話題になりました。俳優・堺正章の元妻、岡田美里です。

 娘である女優・堺小春が『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)で、堺正章と父娘共演し、岡田はその感想をオフィシャルブログにつづっています。そこで、岡田は離婚したあとも、堺と娘たちとの交流が途絶えないように努力していたこと、その結果、娘たちはパパが大好きなまま成長したと明かしていました。ここまでなら“いい話”なのに、岡田が《(堺のことを)私は、今でもあんまり好きじゃないですケドね(笑)》と書いてしまったがために、ネットでは「別れた夫を悪く言うなんてヤバい」という声が上がりました。

 でも、この方、昔からこんな感じでしたよ。