アメリカ留学のきっかけ

 本格的な移住は初めてだが、'14年にはアメリカに留学したことも。“モノマネはできるけど大喜利が苦手”と漏らし、当時はコンプレックスだらけだった。オリエンタルラジオ中田敦彦に相談したところ、「短所は捨てて、長所を伸ばせ」とアドバイスされたのが留学のきっかけだった。

《その言葉で、考えたんです。自分の長所ってなんなんだろうと。ビヨンセもやって、コントでいろいろなキャラクターもやらせてもらって。もしかしたら、長所は“表現力”になるのかなと。そこを伸ばすにはどうしたらいいのか。何がどうなるのか分からないけど、とにかく向かったのがニューヨークだったんです》('15年10月『THE PAGE』インタビューより)

 渡米して3か月レッスンを受けた。そこでカルチャーショックを受け、自分が何を表現するべきか深く考えるようになったという。お笑い評論家のラリー遠田氏は、その才能とセンスを高く評価する。

面白さはもちろん、ファッションセンスを含めた自分の“見せ方”のセンスが抜群。従来の芸人の型に縛られない活動が評価され、SNSの人気にもつながりました

 海外での挑戦を続ける彼女の芸は、なぜ世界でも受け入れられたのか。

コメディアンが面白いことをすると、笑いや拍手で“みんなで楽しむ”のがアメリカ。誰かがツッコんで笑いが起きる日本とは違います。変なことに対して、“おかしいだろ”じゃなくてそのまま“面白いよね”と肯定される。“ツッコミ不要”ともいえるスタイルが直美さんにとてもマッチしています」(ラリー氏)

 今やインフルエンサーとして多大な影響力を持つ彼女は、移住しても日本での人気が落ちることはないようだ。

「拠点を移す以上、アメリカでの活動が中心でしょう。ただ、インスタグラムやYouTubeなら世界中のファンに発信ができる。日本の番組も今はリモート出演が可能ですから、むしろ活躍の幅は広がりますよね」(ラリー氏)

 アメリカという広い舞台で才能が解き放たれ、さらにパワーアップした姿を見せてくれるだろう。