肺の健康維持はコロナ対策にも有効

 筋トレといっても、過酷なトレーニングをする必要はナシ。

「筋肉は刺激を与えないと衰えてしまうので、今ある筋肉を落とさないように筋トレや運動を行います。私は肺機能を高める“肺トレ”として、いくつかの運動を考案し患者さんなどに提案していますが、いずれも高齢者の方でもできるやさしいものばかりです」

 宮崎先生がすすめる“肺トレ”のひとつがスクワット。

「スクワットは大腿四頭筋を効率よく鍛える運動です。短時間でできるうえ正しいやり方で行えば毎日行う必要はなく、週3日程度でも効果があるといわれています。今回はひざの痛みが気になる方でも無理なくできるイスを使ったスクワットをご紹介します」

 腹式呼吸も宮崎先生によると“肺トレ”の重要メソッド。

「腹式呼吸は横隔膜を大きく動かして呼吸をするため、肺に空気がたくさん入り呼吸がラクになります。また、腹式呼吸をすると免疫力が高まるともいわれています」

 私たちの身体の働きをコントロールしている自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中の活動時には交感神経が、夜間などに休息しているときには副交感神経が優位になる。

「副交感神経が優位になったときウイルスや細菌の侵入を防ぐ免疫力が高まるといわれます。自律神経の働きは基本的にコントロールすることができないのですが、腹式呼吸によって副交感神経の働きを高めることができるんです」

 実は、ここまで聞いたすべての情報は新型コロナ対策に直結するという。

「新型コロナウイルスのメインターゲットとなる臓器は肺ですから。肺の機能を守ることは、新型コロナ対策にもなります。肺の健康を維持する生活を送りつつ、感染症対策もしっかり行い、コロナ禍を乗り切っていきましょう」

【肺トレのやり方】
簡単に肺の機能が高まる! 腹式呼吸

 あおむけに寝て、お腹の中で風船をふくらませるようなイメージで鼻からゆっくりと息を吸う。おへその少し上に片手を置いてお腹のふくらみを確認しながら行うとやりやすい。1日5回から始め、慣れたら10回〜20回を行う。

あおむけに寝て、お腹の中で風船をふくらませるようなイメージで鼻からゆっくりと息を吸う。おへその少し上に片手を置いてお腹のふくらみを確認しながら行うとやりやすい。1日5回から始め、慣れたら10回〜20回を行う。(イラスト/わたなべふみ)
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<ポイント>息を吐くときは、口をすぼめる。背中や腰を床にくっつけるようなイメージでゆっくりと吐き出す。

<ポイント>息を吐くときは、口をすぼめる。背中や腰を床にくっつけるようなイメージでゆっくりと吐き出す。(イラスト/わたなべふみ)

<ポイント>お腹の上に辞書などのおもりを置き、それを浮かすように息を吸ってもよい。

<ポイント>お腹の上に辞書などのおもりを置き、それを浮かすように息を吸ってもよい。(イラスト/わたなべふみ)

筋力が弱い方でもOK イスを使ったスクワット

(1)イスに浅く座り、手はひざの上に置く。足は肩幅に開き、つま先は前に向ける。

(1) イスに浅く座り、手はひざの上に置く。足は肩幅に開き、つま先は前に向ける。(イラスト/わたなべふみ)

(2)(1)の姿勢から反動をつけずにゆっくりと立ち上がる。

(2) (1)の姿勢から反動をつけずにゆっくりと立ち上がる。(イラスト/わたなべふみ)

(3)完全に立ち上がったらゆっくりと(1)の姿勢に戻る。10回を1セットとし、1日3セットを目安に行う。

(3) 完全に立ち上がったらゆっくりと(1)の姿勢に戻る。10回を1セットとし、1日3セットを目安に行う。(イラスト/わたなべふみ)
教えてくれたのは……
みやざきRCクリニック宮崎雅樹先生
2006年、群馬大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院呼吸器内科助教などを経て2016年に現クリニックを開院。『林修の今でしょ!講座』などテレビ出演も多数。著書に『長生きしたけりゃ肺を鍛えなさい』(エクスナレッジ)など。
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(取材・文/熊谷あづさ)