メリー氏のマッチへの思い入れは凄まじく、同誌で「(ジュリー氏を)タレントと結婚させるんだったらマッチしかいない。亡くなったマッチのお母さんのことが、すごい好きでね」「マッチのお母さんは二人を結婚させるつもりだったんだもの」と仰天秘話を告白。

 マッチは実母を交通事故で亡くしていますが、2010年にマッチが出演した『中居正広のキンスマ波瀾万丈スペシャル』(TBS系)によると、マッチ母は事故の際、大病院への搬送を拒否。自分が事故を起こしたことが明らかになれば、マッチや事務所に迷惑がかかると判断したからだそうです。身を挺して息子や事務所を守ろうとしたマッチ母に対し、メリー氏は先のインタビューで「私がマッチの面倒を見るのは当たり前だと思う……話しているだけで涙が出てきちゃう」と語っていました。

マッチは“情の濃いオンナ”と相性がいい

 ショービジネスにおいて重要視されるのは、“セールス”です。芸能事務所は営利企業ですから、タレントが稼いでくれないことには、共倒れになってしまう。それでは、“情”の部分が全く必要ないかというと、それもまた違うと思うのです。「ご恩と奉公」という言葉がありますが、事務所はタレントを愛し、タレントも所属事務所の恩に報いたいと思ってもらわないと事務所の先行きは明るくないでしょう。

 明石家さんまは2019年にMBSラジオ『ヤングタウン土曜日』で、メリー氏の情にまつわるこんなエピソードを披露しています。さんまがメリー氏とばったり会うと「うちの子どもたち(所属タレントのこと)が本当にお世話になって」というお礼を言われ、「一緒のレストランになると、全部はろてくれはる。こっちがどれだけの人数であろうと払ってくれる」とメリー氏の太っ腹加減を明かしています。

 メリー氏のマッチ愛も、セールスでの評価というより、マッチのお母さんに対して、同じ子どもを持つ母親として強く共感する“情”のように感じます。弟である故・ジャニー喜多川氏と二人三脚で、たった一代で帝国を築いた人ですから、並みの女性であるわけがありません。切った張ったもいとわないような芸能界を渡り歩ける強さや冷徹さがある一方で、愛するものはどこまでも守るという優しさが同居している人なのではないでしょうか。

 こういう情の濃い人と相性がいいのは、放っておいても大丈夫なまじめタイプよりも、自分が目をかけていないとちょっとヤバい、わがままな甘ったれなのではないかと思います。そういう意味で、メリー氏とマッチはすごく相性のいい組み合わせだったと思います。

 そういえば、マッチの周りにもう一人、情の濃いオンナがいましたね。