1987年、大学生時代にミュージカル『レ・ミゼラブル』で女優デビューを果たし、翌年には『ノンちゃんの夢』でヒロインに。その後、国民的ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)に出演するなど、たくさんの経験に裏打ちされた高い演技力と表現力で多くのファンを魅了してきたが、「もともとは中心にいるようなポジションではなかった」と言う。だから『レ・ミゼラブル』の出演は、女優業に憧れていたとは言え、自分でも驚いたんだそう。当時を振り返ってもらった。

「真ん中に立つ人になるとは思っても見なかった」と語る藤田朋子さん(撮影/近藤陽介)
【写真】藤田朋子さんの優しい表情に癒やされる

朝ドラのヒロインは宝くじに当たった気分

──芸能生活の中で思い出深い作品は何ですか?

いちばんはデビュー作の『レ・ミゼラブル』ですね。プロになった瞬間だと自分でも思っている作品です。でも、アンサンブルだったので、舞台を観に来た親も私がどこにいるか見つけられないくらいでしたけど(笑)」

──次はもっと頑張ろう!って思いましたか?

「いえ、ずっとアンサンブルをやっていくと思ってました」

──それが翌年には『ノンちゃんの夢』で主演ですよね?

そう、だからそれがちょっと宝くじに当たったような気持ちでした(笑)。『レ・ミゼラブル』のオーディションに受かったし、この時期にすべてのいい運を使い果たした気分でしたね(笑)

──(笑)。朝ドラのオーディションを受けたときの手応えはありましたか?

「全然! 受かったとしても、ヒロインの友達の役だと思っていたくらい。真ん中に立つ人になるとは思ってもみなかった。

 学生時代の写真を見ても、集合写真はほぼ端のほうにいる子でした。あとから付け足して入ったみたいな感じの写真がけっこう多くて(笑)。今でも集合写真を撮りましょうってなったとき、指定席を与えられない限り端っこにいます

──小さい頃から、目立つのが好きではなかった?

「そういうことではないと思います。真ん中に立ちたい! っていう性格でもないけど、引っ込み思案でもなかったし。……でも、自意識過剰なところはあったかな(笑)。高校生のころ、トイレの鏡の前で女子が髪の毛をイジってたんですけど、そういう子たちを横目に、私は手だけ洗って鏡を見ずに出て行ってましたね。そんなの誰も見てないのにね(笑)