続いて吉川は“水道水の塩素の危険性”を主張する。《シャワーを15分浴びると約2リットル分の気化された塩素を吸い込むことになる》。そのため彼女は塩素を除去できるシャワーヘッドにしているという。

「塩素というのは、濃度が濃くなれば安全なものではないですが、どこの国でも水道水には消毒のために塩素が入っています。数値は各国で違いますが、基準が決まっています。塩素を完全に無くしてしまうと、細菌が増えてしまってかえって感染症が増えるので、塩素は世界中どこでも必須なものです。基準を守っている限りは人間の身体に悪影響がないことが証明されています。

 影響はゼロではないですが、細菌が繁殖することのリスクを考えたらはるかに安全だということです。人間は1日2リットルくらい水を飲みますが、それくらい飲んでも影響がないことが証明されていますので、シャワーを浴びたくらいで悪いわけがない」(岡田先生、以下同)

 “パラサイトクレンズ”という言葉を聞いたことがあるだろうか。パラサイト、つまり寄生虫。彼女はそれらを殺すため、“ティンクチャー”と呼ばれる液状のハーブの製剤を水に垂らして飲んでいるという。その効果は……。

「今、人間の身体の中に寄生虫はいません。だからそもそもやる意味がないと思います。この“パラサイトクレンズ”として販売されている商品を見てみました。ニガヨモギというヨモギの一種が入っている。ヨモギは昔から虫下しとして使われていたもの。もう1つはチョウジ。こちらは漢方として胃腸を整えるというもの。3つめに黒クルミというものが入っている。最近、流行しているスーパーフードの1つです。

 このように成分としてはもっともらしいものが入っていました。身体の中の虫を出すという作用がないわけではないので、こういった商品そのものがインチキとは言えませんが、現代人は飲む意味がまったくないでしょう」

個人の感想にすぎない

 現在、吉川の家庭では、肉食を完全にやめているという。その結果、《夫のイラつきが、格段に減った》という。そして《人間の体温よりはるかに高い温度の動物の脂がわたしたちの体に入ると、冷えて固まって血管を詰まらせてしまう》。さらに彼女は、不当な扱いを受け殺された動物の悲しみや悔しさが、人間の体内で毒物や異物として反応し、肉を食べた人間のイラつきや不安、悲しみに変わると綴った。

食べた脂がそのまま血液中に流れているわけではないので、こんなことはいっさい起こりません。動物の肉、特に牛肉と豚肉にはパルミチン酸という脂肪酸が多くて、これが体内に入ると、コレステロールに変わります。これによって血管を詰まりやすくするということはあるわけです。ただパルミチン酸は人間にとって必須のもので、ゼロにしてはいけないものであることが医学的にわかっています。イライラするという話は、これはもう個人の感想で医学の話ではありませんね」