初期『電波少年』のキーパーソンを直撃

〆谷ディレクターとの別れはあのかも……

『電波少年』のロケで「自分は犬以下だった」と語る松村。番組の方向性として「松村を甘やかすな」という基本線があったそうだ。

「途中からロケにADを連れて行かなくなったんですね。〆谷さんがADを怒るとそっちにエネルギーが行き、僕には普通に接するようになるから『これはいかん』と」

 そんな〆谷もドバイの砂漠で車が故障し、さまようことになったときは松村に優しかった。

妙に〆谷さんが優しいから『これは本当に危ないんだな』と実感しました。家がどこにあるかわからないような砂漠を歩きながら口から出まかせに『助かる、助かる。向こうにある家の瓦が1枚1枚見えるよ』なんて言うから、オスマン・サンコンさんみたいに遠くが見える人なのかなと。

 さすがに僕も助からないと確信し、『もう偉そうに呼び捨てにされるのも嫌だな』と思って反発したのを覚えています。『どうせ助かんねえんだよ』とか悪態をついていたら、救助が来て奇跡的に助かったという(笑)。

 うれしくなって思わず駆け寄って行ったら砂で足の裏が熱くて『アチャチャチャチャ! 』ってなったんですけど、カメラで撮れていなかったから『もう1回やれ! 』と言われ、『アチチチチ! 』って何回も必死にやりました。

 実は、それが〆谷さんとの最後のロケで、次から別のディレクターに変わったんです。もしかしたら、あのときに反抗的な態度をとったのが理由かもしれませんね。いや、わかんないですけど、ひょっとしたら」

松村邦洋(まつむら・くにひろ)●1967年、山口県出身。大学在学中に片岡鶴太郎に見いだされて芸人の道へ。高田文夫のものまね「バウバウ」やビートたけしのものまね、『進め! 電波少年』出演で大ブレイク。幅広いレパートリーのものまねで活躍中。