北山宏光が主演する連続ドラマ『ただ離婚してないだけ』(7月7日スタート)で、中村ゆりと倦怠期の夫婦を演じる。不倫サスペンスで初共演するふたりを直撃!

――初共演するにあたってお互いの印象は?

北山宏光(以下、北山) はんなりとして、ゆっくりとお話をされる方。自分なりのペースがしっかりあって丁寧に会話される方だと思いました。奥に秘めた強さが役に通じている印象で、どんな(妻の)雪映役を演じるのかすごく楽しみです。

中村ゆり(以下、中村) 役者以外にもいろいろなお仕事をされているので頼りがいがあり、内面的にも大人な方なんだろうと感じていたので今回、安心してご一緒できると思っていました。実際にお会いした印象は、オープンマインドで接しやすい方です。初対面なのに結構、話しかけても受け止めてくださるので頼っていこうと思います。

――倦怠期の夫婦という役どころについては?

北山 全部じゃないけど、共感もできる。(演じる)正隆には人間の欲や弱い部分を感じて、それには理由があったりする。すごくかわいそうな人だと思うし、すげえクズだなとも思う。でも人間は両方を持っていると思うので、そこを(役に)落とし込んで最終的には正隆を許してあげてほしいなと思います。

 正隆はクズだけど、心の弱い部分、生きてきた環境が影響している。もし自分が正隆のような人生だったら同じようになっていたかもしれない。この仕事をしていなかったら、正隆みたいになっていたかもしれない(笑)。そう考えると、わからないけどわかる面もあって見てくださる方が、最終話で(正隆を)許せなくても何か受け止めてしまうようになったらいいなと思います。

中村 夫婦になるくらいなので始まりがこう(クズ)だったわけではないだろうし、ふたりで過ごしたなかでいろんなことがあって変わってしまった。ほかの人には持ちえない情が夫に対してはあるだろうし、雪映にとって簡単に終わりにできる相手ではないと思います。

 原作の漫画は、人は境遇や環境によって物事が予期せぬところに転がっていくことがある。不幸だけど、世の中にはあふれていると思うので、そういう人たちをリアルに描いているのが面白いなと思いました。

妻の尻に敷かれているほうが気が楽(北山)

――結婚観には影響したりしませんか?

北山 夫婦にはそれぞれに色があるけど、冷め切ったのは嫌だなと思います。いつ何でそうなるのか本人たちは明確にはわからないと思う。いつの間にか話さなくなっていたり、原因が何なのかもわからない。僕はそういうのがないのが理想かな。何か問題が起きたらすぐに謝ります(笑)。(妻の)尻に敷かれているほうがいいだろうし、男は気が楽だと思います。

中村 結婚している友人からは奥さん側の立場の話を聞くことが多いです。今回のドラマの発表があった後には友達から“このタイトルうちのことやん、役作りで使っていいで”と言われたりしました(笑)。旦那の愚痴や、もう別れるといったことを聞いたりしますが、夫婦になったくらいだから、ぎりぎりまで悩んで執着していることも感じます。

 結婚っていい時期も悪い時期もあって、それをどう乗り越えていくのか。結婚したからにはあきらめないで、なるべく継続していきたいと思いますね。