幼少期にも“カッとなった”記憶が

 脳梗塞で倒れた母親の面倒も、父親だけが見ていた。

「でも、父親が6月中旬に自転車で転倒して、頭を打ってね。それで要介護になって、母親の介護ができなくなった。だから、次男は2人同時に介護するようになったとです」(同・近所の住民)

 長男はというと、10年ほど前から自宅にいないという。不在の理由について、前出の叔母は、

「長男は昔から精神的な疾患があってね。それで、いまは病院に入っとるから」

 両親の年金や家の資産をあてにして生きてきた容疑者が直面した両親の介護。その疲れとストレスから父親のたわいない言葉に“カッとなって殺した。それを見られた母親も殺した”と供述しているが、

「容疑者が介護していた期間はわずか10日間なんです。介護疲れの果てに起きた悲劇の殺人とは到底いえないですよ」(捜査関係者)

 ほぼ無職だった容疑者を59年間も養ってくれた両親に対して、あまりにもひどい仕打ちだ。前出の同級生も、容疑者に激高された経験があった。

「数10年前なので何を言ったのかは忘れましたが、僕がジュンちゃんをからかったら、彼がすごい顔つきになって、椅子を振り上げて……。周りが止めに入ってくれたので、殴られはせんかったけど」

両親の遺骨を預かっている福岡市西区の寺
【写真】容疑者と、被害者となった家族が暮らしていた自宅

 7月2日、両親の遺体は親族による密葬で荼毘に付された。その遺骨は菩提寺に一時的に預けられていて、四十九日が過ぎると、地域の納骨堂に納められるという。

 堪え性のない“初老ニート”が犯してしまった衝動的な過ちだったのか──。