寡黙だった父親とおとなしかった息子たち

容疑者の自宅。シャッターが閉まった左の建物が酒屋だった
【写真】容疑者と、被害者となった家族が暮らしていた自宅

「松本さんのお宅は父親が3代目の酒屋さん。土地も貸しとる地元の資産家でね。店はタバコ、駄菓子、アイスクリームなども扱う雑貨屋みたいなところで、“角打ち”といって店内でも酒が飲める場所やった。母親が切り盛りしとったね。商売人らしく、シャキシャキした人。自転車のかごに酒を載せて、配達もしよった。長男もよう手伝っとったよ」(近所の住民)

 しかし20年ほど前、近所にコンビニやスーパーができた。酒屋の売り上げが徐々に減っていって結局、店を閉めることに。その直後、母親は脳梗塞で倒れてしまう。

 かたや、父親は酒屋を妻に任せて自宅で土木建築会社を営んでいた。

「父親は寡黙な人。従業員が数人おって、道路工事をよくやっとった。長男も手伝っとったけど、20数年前に父親がいい年になったから会社をたたんだとよ」(同・近所の住民)

 夫妻と長男、次男の4人家族だった松本家。次男の淳二容疑者について、近所の主婦はこう語る。

「兄弟そろって、おとなしい子。特に次男には子どもらしい活発さはなかったねぇ」

 容疑者と小学校・中学校時代に同級生だった男性も、同様の印象だった。

「ジュンちゃん(容疑者)が誰かと遊んでいる姿は、ホントに見たことなかですね。内向的であまりしゃべらないやつやった。教室で声をかけても、気分がのらないときは応えてくれない(笑)。事件の数日前も、自転車に乗っている彼に“久しぶり”と声をかけたけど、何も応えずスッと消えていった。でも、昔からそういうやつやったけん」

 小学校6年生のとき、自分の将来の夢を発表する授業があったが、

「ジュンちゃんは順番がきても、ひと言も話さなかったと。

 あとで、こそっと“ホントはなんになりたかと? ”って聞いたら、“科学者になりたか”と教えてくれた。運動している姿は思い出せんけど、算数や理科の勉強はようできたですけん。高校も進学校に行っとった」(同・同級生)

 高校卒業後、いったんはとある会社に就職したが、なじめずに短期間で退社。その後はいっさい職に就かなかったという。

「長男は家の手伝いはしよったけど、次男は何もせずにずっとひきこもりやった。いわゆる、親のスネかじり。やるのはゴミ出しと、買い物ぐらい」(近所の住民)