グッズは当時を語る“語り部”になる

 伝統工芸品とのコラボ商品は数百年の歴史がある伝統的なアイテムからユニークな地域特産品まで実にさまざま

 例えば大会開催都市の東京都からは、彫金技術を生かしたボクシンググローブ型のストラップやエンブレムが描かれた三味線。神奈川県のスカジャンや東京2020マスコットが描かれた石川県の金箔の額装。

 普段ならなかなかお目にかかれないような斬新なデザインを取り入れたり、金銀銅の3色を用いたレアなビジュアルも興味をそそる

 さらにコレクターたちは非売品にも興味津々だ。

「選手のサインが入ったアイテムや実際に大会や競技で使用されたものに関心があります。狙っているのは聖火リレーで使用されたトーチ。関係者に配られる参加メダルやポスター、のぼり、マスコットなどの非売品の公式アイテムがあれば欲しいですね」(前出・藤瀬教授、以下同)

 流通している公式ライセンス商品でも何らかの付加価値がつくとさらに値段は上がる

「『幻の東京オリンピック』となった1940年の公式アイテムの中でも役員や関係者用のバッジは極めて高値で取引されています」

幻の'40年東京大会のパンフレット(秩父宮記念スポーツ博物館収蔵)
【写真】過去大会の貴重な“オリンピック記念皿”、今大会の「目玉アイテム」ほか

 確かに価値がありそうなことは一目瞭然だが……。

「参加選手が出身県やなじみのある県の伝統工芸品を紹介できたらいい。地域の人は選手も伝統工芸品も両方とも応援したくなる。さらにそこに選手がサインをしてくれたらコレクターは値段が上がっても欲しがります(笑)」

 だが、お金以外の価値もある。藤瀬教授は語る。

今は批判もありますが、10年後、50年後には“コロナ禍の無観客で行ったオリンピック”として評価される未来も来るのではないでしょうか。商品はプレミアがつくだけではなく、思い出でもあり、当時を語る“語り部”になるかもしれませんですが、忘れてはいけないのはオリンピックの主役は選手たちです

 伝統工芸品に限らず、気に入った公式ライセンス商品を購入してひそかに選手を応援するのも今大会ならではの盛り上がり方。

 公式ライセンス商品が購入できるのは今年の12月29日まで。買うなら、今でしょ。

オリンピック記念皿。有名メーカーの商品も多数(藤瀬教授所蔵)