聞こえてきた園長の“パワハラ”

 あまりにも杜撰な体制だった双葉保育園とは、いったいどんな保育園なのか――。

 同園は園長の祖父が40年以上前に設立。叔父が2代目の園長に就任したが、10数年前に他界して、あとを継いだのが現在の園長だ。園長の母親が同園の理事長兼主任保育士、姉も保育士として勤めていて、一族で運営してきた。

 近隣住民は同園について、

「よか評判ですよ。毎年、年末に園内で餅つきをやっとるんですが、“来年もよろしくお願いします”ってお餅をお裾分けしてくれる。非常に心遣いのある保育園ですよ。

 また、園長はマーチングに力を入れていて、ちゃんとやっていない子がいると“あんたたち、ちゃんとせんね!”と叱る声が響いています。まるでわが子に言うような、愛情を感じるよねぇ」

 保育園の管理・指導をしている中間市役所のこども未来課の担当者も、こう話す。

「ここ数年で、同園に対する苦情は数件程度。たとえば“園で猫を飼っているが、不衛生ではないか”といったようなクレームでした。問題の多い保育園という認識はないです」

 福岡県庁の子育て支援課に聞いても、

「大きな改善命令や指導はしたことはなく、問題のない園でした」

 これらの評判から置き去り事故を起こすような保育園とは到底思えない。

 だが、取材を進めていくと、反対の意見も多く噴出した。

「40代の女性園長は“子ども嫌い”を公言していて、ずっと独身。あの保育園は家業として継いだだけで、子どもにえらい厳しい人らしい。双葉保育園に通っていた近所の子も“私も叩かれたし、倉庫にも閉じ込められたことがある”って言うとった」(近所の主婦)