お前、SMAPの一員でよかったな

【キムタクへ】

 今朝、歯を磨く時、鏡に映ったお前の顔をみて、思わず笑いそうになった。みんな、“こいつのどこがいいんだ?”って。夏のクソ暑い中で寝癖の長い髪がやけにむかついた。

 表向きではSMAPとか騒がれてキャーキャー言われてるかもしれないけど、お前だって外に出れば、日焼けしたミニスカートの女の子を気にして目で追っかけてるくせに。そんな奴が、女の子の間で“キムタク”なんて言われてるのを見ると、マジでふざけてるって思う。キムチだかタクアンだかわからねぇ、目つきの悪いお前のどこがいいんだ?

 だから今、そんなお前にいくつか言っておきたいことがある。

 お前さぁ、本当にSMAPの一員でよかったな。お前以外の5人がいなかったら、きっと今頃何でもないつまらない奴だったと思う。ライバルでもありパートナーでもあるメンバーがいたからこそ、今、お前はキムタクなんて呼んでもらえるんじゃねぇか? 

 それから、いつも自分が支えてもらってるってことを忘れるな。この言葉は俺が両親にいつも言われてることだけど、特別にお前にも教えてやる。小さなことでも、どれだけの人がお前を支えてくれてるのか、考えたことあるか? たまにはそんな人たちに感謝して、その人たちのために何かできることをやってみたらどうだ?

 負けず嫌いなお前だから、こんなこと言ったらまたムッとするかもしれないけども、どのくらいのことができるか、俺もちゃんと見ててやるからやってみろ。もし、だらけそうになったら、他のメンバー5人をよく見てみろ。そうすれば、自分が何をすればいいのかわかるはずだ。

 それで、もし俺も納得できることができたなら、お前のことを“キムタク”って呼んでやってもいいと思う。でも、何でこうやってお前に手紙を書いてるのかって考えると、だんだんシャクに触ってくるから、もうこの辺で終わらせる。

木村拓哉