2021年9月9日、本来ならば30周年という記念の年を迎えていたSMAP

 1991年9月9日、デビュー曲『Can't Stop!! -LOVING-』で芸能界の扉を開けた6人は誰もが認める国民的グループとなる。しかし、25周年を迎えるはずだった2016年に解散。以降は揃って顔を合わせることはなく、それどころかバラバラの立ち位置にいる。

 ジャニーズ事務所に残った木村拓哉。2017年9月に退社して『新しい地図』を立ち上げた稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾。2020年4月に自分の城である『のんびりな会』を設立した中居正広。そして1996年5月にグループを脱退して、以後はオートレーサーとして活躍する森且行。

 その森が脱退する前年の1995年、8月26日から27日にかけて放送された日本テレビ系『24時間テレビ』のパーソナリティーを務めたのがSMAPだった。現在こそ、ジャニーズアイドルが毎年のようにパーソナリティーを務めるのが当たり前のようになっているが、その先駆けこそ彼ら6人。アイドルながらも他分野に挑戦し続けた彼らこそ、現在のジャニーズの“道しるべ”と言っても過言ではない。

 なかでも、SMAPをファンだけでなく一般的に広く認知させたのが木村拓哉だ。1993年のドラマ『あすなろ白書』、翌1994年の『若者のすべて』(ともにフジテレビ系)で大ブレイクし、スターダムを登り始めた“キムタク”が登場した『24時間テレビ』。

 この時、6人がそれぞれメンバーへ綴った手紙を読み上げたのだが、木村が書いた相手というのが「キムタクへ」。自分自身への手紙だったのだ。

 おなじみの黄色いチャリティーTシャツの袖を切ってノースリーブにし、“ロン毛”を後ろで一つに束ねた無造作なヘアスタイル。左耳にピアスをつけた22歳の木村は、照れ隠しなのか、少々ぶっきらぼうな“キムタク節”全開で読み始めたのだったーー。

中居「木村は照れ屋さんなんでね」

「木村くんの口からこんなこと(言葉)が出るとは思いませんでしたもんね。非常に、あの照れ屋さんなんでね、手紙ならではコメントなんだと思います、はい」

 手紙を読み終えた後、側で見守っていたリーダー・中居の言葉に素っ気なくも安堵の表情を見せる木村。そしてメンバーに連れられて、ステージ上で6人で歌唱した『オリジナルスマイル』。同曲は2011年に発売された、チャリティアルバム『SMAP AID』においてファン投票で1位に選ばれた代表曲の一つで、まさにSMAPとファンが一体になれる曲なのだ。

 しかし、現在の彼らはというと……。

「グループ解散以降に森(且行)を含めて顔を合わせている5人の一方で、当のキムタクだけがひとり、SMAPとは距離を置いている印象は否めない。ジャニーズに残留したことで仕事こそ途切れませんが、手紙にあるような“つまらない奴”とはいかないまでも、キラキラしたオーラが失われたようにも感じます。

 やはりSMAPの一員であってこそ、“キムタク”は輝けていたのかもしれません。今一度、22歳の彼が自分に宛てた手紙を読み返して、あの頃の“SMAP愛”を思い出し、そして“何をすべきか”を考えてほしいですね」(ジャニーズに詳しい芸能ライター)

 30周年を迎える今年、有志ファンらが各々で呼びかけてお祝いイベントを企画する動きがあるようだ。メンバーとファン、またとびきりのスマイルが見られる日が来るのを祈って、木村拓哉が自分に書いた手紙「キムタクへ」を全文公開したい。