占いは若者が好きなイメージがあるが、対面鑑定を依頼するのは、社会に出て複雑な悩みを抱える30代以降から70代の女性と年齢層は幅広い。

占い師が語る鑑定内容の変化

今まで鑑定内容でダントツに多いのは恋愛相談でした。しかし、コロナ禍になってからは将来への不安などの相談が増えていますね。経営者からの相談も多いです

 占いのモバイルサイトを多く運営する会社「ザッパラスが今年1月にオンラインをメインにする占い師に行ったアンケートでも、コロナ禍を経て鑑定内容が変わってきているとの回答が半数以上だった。客層も今までとは変化している。

外出が減り、人と会う機会も減ったことで、オンラインで気軽に話せる相手として求められています。占い師は今やカウンセラー的な役割もしていると感じています

 占い師は複数の占いを学んでいる人が多く、客の相談内容に合わせて占い方を変えることが多い。

「占星術や四柱推命などは生年月日などの普遍的な情報から統計的に占うもので、生まれ持った性格や傾向、運気のバイオリズムなどを知ることができます。手相や風水もそちらに近いです。タロットカードやダウジングなどは、必要なアドバイスが必然として現れるもの。短期間の状況、人の心に対するアドバイスを得るのに向いています」

 占い師選びは、相性がいちばん大事だと話す。では、頼らないほうがいい占い師とは、どんなタイプなのか。

「すぐに行動しにくいことを言う人は避けたほうがいいかもしれません。例えば、『今すぐに会社をやめなさい!』とか。占いはあくまでアドバイスであって、強制するものではないですから」

 占い師に言われたことについても、信じるか信じないかは「あなた次第」だという。

「占いの結果は数ある未来の1つ。相談者にとって悔いのない行動をするきっかけになればうれしいです」

 占いの結果に従う必要がないというのにはわけがある。

「電話占い師をしていたとき、相談者の約8割は占いの結果とは違う選択をしていました。占い師と強い信頼関係がある場合は別として、占いをする人は相談する前から、自分の中ではすでに答えが決まっていることが、意外と多いんです」

 しかしそれも選択のひとつだとあゆこさんは語る。

「何かを決断するときってエネルギーを使うんですよ。私たち占い師に話すことで状況が整理され、行動するきっかけになればそれが何よりです。占いを自分が幸せになれる方法として活用してもらえるのが理想的ですね」