鮭とサーモンの違い

【Q】鮭とサーモンってどう違うの?

【A】生食できる養殖された鮭をサーモンと呼ぶことが多いです。

鮭は鮮やかな赤い身が特徴だが、実は白身魚。赤くなるのは甲殻類を食べるからで、養殖ではエサで身の色を調整している(写真はイメージです)
鮭は鮮やかな赤い身が特徴だが、実は白身魚。赤くなるのは甲殻類を食べるからで、養殖ではエサで身の色を調整している(写真はイメージです)
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 寿司ネタやスーパーの刺身コーナーで人気のサーモンだが、鮭とサーモンはどう違うのだろうか。

 標津サーモン科学館の市村政樹館長によると、「寿司ネタなどに使われるサーモンの多くは海外で養殖されたアトランティックサーモンやニジマスです。このニジマスはサーモントラウトという名前で商品化されています。どちらも鮭の仲間ですが、近年では、生でも食べられる養殖された鮭のことをサーモンと呼ぶことが多くなっています」とのこと。

 川に遡ってくる天然の鮭には寄生虫がいるため、一度冷凍するなどしないと生では食べられない。そのため、寿司のネタにはならず、焼くなどして食べている。

 一方、1980年代になって輸入されはじめた海外の養殖された鮭は、寄生虫がとても少ないため生で食べることができ、寿司ネタなどに使われるようになった。その際、生で食べられない鮭との違いを強調するために、鮭ではなく、サーモンと呼んだのではないかという。

「現在では日本国内でも鮭の仲間が盛んに養殖されていて、生でもよく食べられています。『サーモン=生食』というイメージが定着しているからか、それらもサーモンと呼ばれることが多いです」(市村さん)

 例えば、いよかんエキスの入ったエサを食べて育つ「宇和島サーモン」や潮の流れの速い津軽海峡沖で養殖される「海峡サーモン」などが、ご当地サーモンとして人気だ。

 エサや育て方に特徴のあるサーモン、お刺身で楽しんでみてはいかがだろうか。