バラエティーも韓国リメイクの流れ

 韓国ドラマのファンたちによる批判は作品の内容だけに留まらず、「リメイクが多すぎないか」という数の問題にも及んでいる。その中には、「日本のドラマはレベルが低いから韓国でリメイクされない」などの辛辣な声もあるが、これは正しいとは言えない。

韓国でリメイクされた『昼顔』(『平日午後3時の恋人たち』ドラマ公式サイトより)
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 日本のドラマは韓国をはじめ海外で一定の評価をされ続けていて、知られていないだけでリメイクもされている。わかりやすいところで言えば、これまで『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)、『最高の離婚』(フジテレビ系)、『Mother』(日本テレビ系)、『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)などが韓国でリメイクされてきた。

 これらは繊細な心の機微を描いた日本のドラマらしい作風であり、ストレートで強い感情表現がベースの韓国ドラマにはないもの。もともと韓国ドラマの作り手には「日本ドラマから学んだ」という人もいて、レベルの高低を比較するのはナンセンスであり、ファンの個人的な好みの問題によるところが大きい。

 そもそも韓国ドラマに限らず、ヒット作のオリジナルを超えるリメイクはほとんど存在せず、「ひどい」か「そのまんま」という評価に二分されやすい。しかし、批判の多さも含めて話題性は高く、視聴率の点でも大失敗をしづらいのも確かだ。だから制作サイドは、一定の批判を承知でリメイクをしているのだが、『梨泰院クラス』ほど視聴者数が多く、ファンの愛情が深い作品はリスクのほうが圧倒的に高いだろう。

 最後に今後の行方を占う上で、挙げておきたいのがバラエティーのリメイク。実は韓国のコンテンツがリメイクされているのはドラマだけではなく、バラエティーにもその傾向が生まれはじめている。ABEMAの『私たち結婚しました』とAmazonプライム・ビデオの『ザ・マスクド・シンガー』は韓国のバラエティーをリメイクしたものであり、どちらも配信番組だが、評判がよければ地上波の作り手たちも採り入れはじめるのではないか。

 つまり、まだ地上波バラエティーの作り手たちは、ドラマのように韓国のコンテンツに頼ろうとしていないが、「この先はわからない」ということ。いずれにしても、オリジナル超えは難しい上に、配信で海外コンテンツが見やすくなった今、安易なリメイクは避けるべきだろう。

木村隆志(コラムニスト、テレビ解説者)
ウェブを中心に月30本前後のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。各番組に情報提供を行うほか、取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。