もっとも重要なのは医師選び

 今ではクマは全く気にならなくなり、筆者から見ても傷痕などもなくスッキリとした印象だ。菜々子さんいわく「大成功」。手術の際に頼りになったのが『5ちゃんねる』の美容整形スレッドだったという。

「5ちゃんねるの美容整形板でずっと情報収集をしていました。みんなビフォーアフターの写真を出して“手術後、経過何日目”とか共有してるんです。そのハムラ法の手術後にすごい腫れて、失敗かな、どうしようって怖くなった期間があったんですけど、腫れてる目元の写真を出したら、“こんなもんだよ。本当に落ち着くまでには半年くらいかかるよ”ってコメントが来て。それを見て励まされました。あとはTwitterの整形垢(アカウント)をフォローしていろんな人のレポートを読んだりしました。

 でも5ちゃんやTwitterはウソも書き込めるので参考程度にして、自分でクリニックに行って目で見たものを信じるようにしています」

 最近では、『鼻尖縮小』という鼻先をシャープにする手術に挑戦したいとあるクリニックにカウンセリングに行ったが、「あなたの鼻の形でやっても効果のある手術じゃない。顔の下半分が大きいから、鼻よりエラを小さくしたほうがいい」と医師からアドバイスされ、鼻の手術は諦め、エラボトックス注射を打ってシャープな輪郭を手に入れた。

「先生が患者の希望した施術を止めるということは、お金目当てよりも、私の立場になって考えてくれたのかなって。逆によかったと思います」

 歯列矯正なども含めて、20年間で美容整形に200万円以上かけてきた菜々子さん。その中でもっとも力を入れているのが医師選びだという。

「実際、切る整形手術は最低数十万円かかりますからね。予算でやれる範囲で一生懸命考えて、絶対失敗しないように、慎重に。手術するときは3軒くらいクリニックを回ってカウンセリングを受けます。したい施術の数をこなしていて得意な先生がいいですね。担当した症例写真を見せてもらって、希望どおりにやってくれそうな先生に決めています。あとは話を聞いてくれそうな先生ですね、上から目線の人もたまにいるんで。ヤバいと噂になっている施術を勧めてくるような先生もダメ」

 と蓄積した整形知識をもとに、評価軸がしっかり決まっているようだ。

「手術前はいつも震えるほど怖い」と話す菜々子さんだが、その怖さを乗り越えてまで整形したい理由はなんなのだろうか?

「コンプレックスをなくしたいというのが一番。人と会うたびにクマとか目とか、嫌なところをいつも意識しちゃう。トイレの鏡を見ても萎える、電車の窓に顔が映っても萎える……。まあ、クマなんて誰も見ちゃいないんですけどね(笑)。ただ意識しないように生活したい、結局は自己満足なんです」

 転職の際や長期休暇が取れるときに少しずつ整形しているので、周囲にはあまり気づかれていないという。あえて自分からカミングアウトすることもない。年を重ねてからは顔のパーツを整えるよりも、アンチエイジングにシフトしていきたいと考えている。

「たるみは日に日に気になります。メイクでは限界だなって思うから、こめかみのあたりの皮膚を切って引き上げる『切開リフト』は絶対やりたいです!」

 自分に必要な施術を取捨選択するなど、整形と上手な付き合い方をしている菜々子さん。若々しい姿は今後も維持されそうだ。