『エイプ』は牧瀬里穂の夫としても知られるNIGO氏が設立し人気を博したストリートブランド。『ナンバーナイン』は、ロック調のデザインが特徴的なブランド。木村は番組や雑誌の表紙で着用することも多く、そしてそれが高騰することも多々あった。

木村と菅田の明確な違い

「『エイプ』も『ナンバーナイン』も、すでにファッション好きの間では人気のブランドでしたが、木村さんが着用することにより、その名前が一気にお茶の間まで知れ渡ることになりました。

 木村さんは圧倒的なスター性と、さまざまなブランドのアイテムを着こなすファッション感、そしてテレビでの露出が多く、日本中の誰もが知っているという高い知名度で、その着用アイテムやブランドをファッションにそれほど興味を持っていない層まで拡散したという意味でのファッションリーダーであると思います」

“平成のファッションリーダー”木村拓哉と、“令和のファッションリーダー”菅田将暉。両者はファッション的に非常に影響力があり、ここまでにあるように、“キムタク着”売れ、“菅田着”売れという現象をともに生み出している。

番組出演時の菅田将暉(『テレビ千鳥』より)。着用しているのが高騰している軍パン
番組出演時の菅田将暉(『テレビ千鳥』より)。着用しているのが高騰している軍パン
【写真多数】木村拓哉と菅田将暉、『平成』『令和』のファッションリーダー2人の私服をズラリ

 この両者を比較してみると、“違い”はあるのだろうか?

「木村さんは“スーパースター”です。着用しているアイテムもデザイナーズブランドやストリートブランドなどの高価なアイテムが多く、まさに“憧れの存在”です。それに対し、菅田将暉さんは三軒茶屋の古着屋でよく買い物をしていると話しており、若者たちにとって自分でもまねできそうな親近感の高さが魅力です。

 菅田さんは自身が選んで着用している古着のシャツやまた菅田さんが着用していそうな個性的な柄のシャツが『菅田シャツ』などと呼ばれているように、“菅田さん自身のセンス”が共感を集めている点が、木村さんとの違いと言えるでしょう。

 これまで日本のタレントで、その人自身が発信するファッションに注目が集まった例は、ほぼないはずです。その点で、菅田さんはもしかしたら日本のタレントで初めての、本当の意味での“ファッションリーダー”なのかもしれません」

“菅田ブーム”はさらに続くか。