先生だって不満はある

 PTAに対する先生たちの本音は、SNSなどネット上でも、しばしば見られるようになってきました。たとえば、最近はこんな声を見かけました(下記、カッコはYahoo!ニュースコメント欄より)。

「先生も強制加入、強制会費徴収(自腹)なことがもっと知られてほしい。先生も保護者も、入退会自由に!」

「教員です。先日の保護者会で役員決めのくじ引きが行われました。立候補者のいない役員なら、やめたらいいのになって思いました」

「教員ですが、我々も問答無用で加入です。そして会費も払わされます。(中略)管理職はPTAがないと学校は成り立たないと言いますが、私にはまだまだその意味がわかりません。PTAは我々の預かり知らぬところで業務を削減してくださっているのでしょうか。一教諭の私からの視点では、余計な仕事増やしやがってとしか今のところ思えません。私は教員の立場からですが、無くなったらいいのにと思っています」

 また、こんな意見も。

PTAは時代に合わない負の遺産。50年前のシステムを未だに使い続けている意味が分からない。保護者も教師も本音では『今すぐなくなればいいのに』と思っている」(ツイッターより)

 いかがでしょうか。「えっ、先生たち、PTAのことをそんなふうに思ってたの!?」と驚いた人も多いかもしれません。でもそうなのです、先生たちも実は、意外とクールにPTAを見ているのです。

 もちろん、すべての先生ではありません。保護者のなかにも、PTAの問題点など気にせず、ただただ「これまでどおりに継続したがる人」はいるものですが、教職員のなかにもやはり、そういう人は少なからずいます。

『さよなら、理不尽PTA!~強制をやめる!PTA改革の手引き』(辰巳出版)では、PTAを「やめる」「変える」方法を詳しく解説している
【写真】PTAをラクにしたい人、必見!

 ですが、やはり今のPTAについて「そのままでいい」と考える先生は、だんだん減っているようです。

 最近は「学校の働き方改革」が進められるようになり、先生たちも「時間外労働を強制されるのはおかしい」と気付くようになりました。

 そういった流れで、「PTAの強制も間違っている」と気付く教職員が増えているのかもしれません。

 「おかしい」ことには「おかしい」と声をあげないと、状況は変わりません。保護者だけでなく、教職員の人たちも、もし「PTA、おかしいぞ」と思ったら、ぜひ声をあげてほしいものです。

「そういった会員の声をきっかけに、見直しが進んだ」というPTAは、少なからずあります。ネット上でもいいですし、可能ならぜひ、学校現場でも! 「PTAを退会しました」という先生だって、ときどきいるのです。

大塚玲子(おおつか・れいこ)
「いろんな家族の形」や「PTA」などの保護者組織を多く取材・執筆。ノンフィクションライターとして活動し、講演、TV・ラジオ等メディア出演も。著書は『ルポ 定形外家族 わたしの家は「ふつう」じゃない』(SB新書)、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(太郎次郎社エディタス)など多数。11月12日には『さよなら、理不尽PTA! ~強制をやめる!PTA改革の手引き』(辰巳出版)を出版する。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。

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