“グレーゾーン”をもっと作ればいい

 “ロシア人でゲイ”という日本ではマイノリティーな存在の彼だからこそ、感じることも。

「セクハラなど女性に配慮する時代になってきているのはいいことだけど、女性=腫れものになりつつある感じがします。“女性は話が長い”と政治家が言ったり、決めつけるのはよくないけど、そんな古い価値観の人がいることも認めてこそ、真の多様性なんじゃないかなと思います」

 また日本人は“白黒はっきりさせたがる”と続ける。

「白黒つけたがる国民性なのに多様性を認めるべき……という時代の流れがきたことで、いびつな状況になっているように感じます。女性でも下ネタを楽しめる人もいるし、男性でも下ネタが不快だと感じる人もいる。だけど今は“女性に下ネタを言うのはセクハラ”と一方的に決めつけ、多くの人が何がダメで何がいいのかを考えることをやめている気がするんですよね。グレーゾーンやグラデーションを作れば、もっと生きやすい世の中になると思います」

 コメンテーターの仕事を通じ、その世間の空気感を変えていきたいと続ける。

「番組でも“こっちが絶対に正しい”とは言わないようにしています。それによって許される幅が広がり、世の中のグレーゾーンの部分を広げていければいいですね」