人がどう思おうが、自分がしたいことをする

 流行にも敏感で、86歳のときには“ぱーぷる”名義でケータイ小説にも進出。

ペンネームは長年携わってきた『源氏物語』の作者である紫式部から。晩年を支えた66歳年下の女性秘書のすすめもありインスタグラムを始めるなど、新しいカルチャーも積極的に取り入れていましたね」(前出・出版関係者)

 '12年に週刊女性で寂聴さんを取材した、フリーライターの成田全さんもこう振り返る。

いきものがかりのボーカル・吉岡聖恵さんが先生のファンだったことから交流が始まったそうで、彼女たちのコンサートに行ったことをうれしそうに話されていましたね。雑誌を渡したときも芸能ニュースにまで目を通し、独自の視点で意見をおっしゃっていて、好奇心の塊のような方だという印象を受けました

11月11日、いきものがかり水野良樹(左)はSNSで寂聴さんとの思い出を投稿
11月11日、いきものがかり水野良樹(左)はSNSで寂聴さんとの思い出を投稿
【写真】瀬戸内寂聴さん、寺院での「写経」の様子

 テレビ番組で密着取材を受けた際には、

人がどう思おうが、自分がしたいことをする

 と語っていた寂聴さん。人間味と愛にあふれていたからこそ、彼女の言葉は多くの人の共感を呼び、時代を超えて語り継がれていくだろう。