「ちょっと飽きた香水に5000円の値段が付いた」
「お土産でもらって試してみただけのファンデーションが3500円で売れた!」

 誰でもいくつか持っている使いかけの化粧品は、いまやフリマサイトの人気商品だ。

中古品売買は成長市場

 個人売買とはいえ、人が使ったものでもちゅうちょなく購入して使える――古着人気などから始まったリサイクル文化もここまで来たか、と思える話だが、いまや世の中には使用済みコスメでも積極的に買い取るお店さえ増殖中。ネットなどでも広告をよく見るようになっている。

 新品以外を扱う「二次流通市場での化粧品/コスメの取引が増加しており、メルカリにおける化粧品/コスメの購入数も2014年~2020年の7年間で約12.4倍にも拡大しています」

 と、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一氏。

「新型コロナウイルスが猛威を振るう中、店頭でサンプルやテスターを試すことができなくなったこともあって、通販で安くお試し購入できる二次流通の重要性が高まっていると推測されます」

 山口准教授は分析する。

 これは化粧品コミュニティサイト @cosme(アットコスメ) を運営するアイスタイルが行った調査結果を分析したコメントだが、同調査によれば、二次流通ツールを利用したことがある人はなんと5割強、さらにその5割以上は化粧品の購入経験があるという。

フリマアプリなどを利用したことがある人はなんと5割強、さらにその5割以上は化粧品の購入経験がある(@コスメの調査より)

「購入した」と答えた人が、その理由に挙げるのは「少しでも安く買いたいから」「その化粧品を試したいから」「もう売っていなくてどうしても欲しかった」など。

 手軽な値段で購入し試してから、新品を買うという使い方が目立つ。新型コロナの影響で店舗からテスターが消えたことも、確かに大きな理由と考えられる。

ただし、二次流通には怖い一面も。

フリマサイトでのやり取りがトラブルにつながったり、中には使用期限や開封時期を偽って出品しているケースもある。

 そしてさらに謎が多いのが、急増中の買い取り業者たちだ。

 以前から未開封品を買い取ってくれるところはあったが、アプリやWebサービスの普及とともに「中古品でも大歓迎」という業者が目立つようになってきた。ところが未使用品を扱う業者とはまるで違うようなのだ。

 ほとんどすべての業者は実店舗なし。買い取りはWebで依頼を受け、客に商品を郵送させ、それを査定。買取額を提示し、振り込みがされて売買終了となる。連絡先として記載されている電話もほとんどがスマホなどの電話番号だ。

 ところが、ネットでの口コミなどが多いところを選んで3~4軒ほどに連絡してみたが、どこも呼び出し音が鳴るだけで留守電にさえならない。

 さすがに不思議に思って、化粧品や香水の流通事情に詳しい美容関係者のNさんを通じて、付き合いのある業者の方を探してもらったところ、匿名を条件に内幕を話してくれた。