抜群の安定感!? 政治家のやらかし

【政界部門】

<大賞> 木下富美子
「仕事したいのにできない理不尽あった」

<次点> 麻生太郎 「北海道のお米は温暖化でおいしくなった」 小泉進次郎 「プラスチックの原料って石油なんですよね。意外にこれ知られてない」 静岡県 川勝平太知事 「(御殿場市について)コシヒカリしかない」

 失言の宝庫ともいえる政治家たち。とりわけ麻生太郎には安定感すら感じるほど……。

「政治家の失言は、会合や講演会などから漏れたものが多い。つまり、周りに支持者やイエスマンしかいない状況で発言しているわけで、失言ではなく、本音、本質なんですよ。そういう発言をしても“先生”と呼ばれている環境がいちばん恐ろしい」(吉田さん)

 また、芸能人のように世の中の動向に応じてアップデートをしていない点も、政治家から失言や暴言がなくならない一因とも。

「石田純一の“不倫は文化”や、田原俊彦の“僕くらいビッグになると”などの失言のように、芸能人はそのまま仕事の減少に直結する。そのため、どういった発言が災上するのか、常に気を配っているところがありますよね。一方、政治家は失言したところで仕事を失うわけではない

 そう吉田さんが指摘するように、離党はしても議員を辞するケースはほとんど見られない。その最たる例が、東京都議選の期間中、無免許運転でひき逃げした疑いで書類送検された木下富美子元都議だろう。最終的には、辞意を示したが、最後まで議員という立場にしがみついた。

名前に「都議会議員」が入ったままの木下富美子のTwitter。現在は非公開
名前に「都議会議員」が入ったままの木下富美子のTwitter。現在は非公開
【写真】辞職後もプロフィールに「都議会議員」が残ったままの木下富美子のTwitter

 中川さんは、「久々に現れたお騒がせ政治家。令和の野々村竜太郎ですよ」と、かつて世間を騒がせた号泣県議の姿を重ねる。号泣しながら意味不明のコメントをし続けた野々村氏同様、木下富美子も往生際が悪かった。

木下さんは、“食べ物が口を通らないことも”と話していたけど、まったくやつれているようには見えなかったですよね。また、“(議員活動を)ぜひ続けてほしいとの声があるのも事実”と自ら語るなど、ツッコミどころが満載すぎた(笑)。

 野々村竜太郎が登場した2014年は、小保方晴子、佐村河内守といった名物素人が立て続けに出現した奇跡の1年でしたが、その時代を彷彿とさせる珍キャラクターでした」(中川さん)

小泉純一郎元首相の二男・小泉進次郎小泉進次郎前環境相
小泉純一郎元首相の二男・小泉進次郎小泉進次郎前環境相

 無免許運転&ひき逃げは許されることではないが、確かに強烈なインパクトを残したという意味では、今年を象徴する人物のひとりかも。

 また、環境大臣に任命されて以降、独特な言い回しが仇となり、メッキをはがし続ける小泉進次郎も、今年を彩ったひとりだ。

「薄口政治家。人の心をつかむのは上手かもしれないけど、大臣になったことで、いろいろと足りないことが露呈してしまった。ただ、彼は人を傷つけるような発言をしているわけではないですからね。いろいろと足りないだけ」(吉田さん)

「日本の温室効果ガスの削減目標について“おぼろげながら浮かんできたんです、46という数字が”も、言わなきゃよかった失言でしょう。

 インターネット上で、立派にいじられるポジションを確立した1年」(中川さん)