得体の知れないムニャムニャ

 2000年に歌手デビューし、同年のドラマ『トリック』(テレビ朝日系)主題歌『月光』が大ヒットすると、そのミステリアスな雰囲気と美貌も相まって人気歌手となった鬼束。一方で、プライベートではその“不安定さ”をのぞかせる出来事も多かった。

 レコード会社関係者は「確かに情緒不安定なところがありました」と明かす。

「感性が鋭く繊細、壊れそうな危うさがアーティストとしての才能にもなっていたと思います。瞬く間にスターになり、周囲の環境の変化に心身が追いつかなかったのか、体調不良によって活動休止が続くこともままありました。また、激ヤセや大量服薬による自殺未遂騒動、ストーカー被害に遭ったり、交際相手から暴行されて大怪我を負うなどの事件にも巻き込まれました。

 この頃から容姿も180度変わってメイクや服装が派手になり、インターネット動画出演やツイッターで破天荒な物言いで“ぶっ飛んだ”キャラに。まさか薬をやっていたとは思いませんが、奇行続きの彼女だけに警察にも注視されていたことも考えられます」

 デビューから間も無くパニック障害を発症し、一方でステージ上から見える観客が「悪魔に見えた」などとも告白。また、雑誌のインビューでも《得体の知れないムニャムニャしたものが出てきて、いつもそれに振り回されている》(『テレビガイド』2001年9月15日号)と独特な表現をしていた鬼束。

 “歌姫”になにが起きているのだろうか。

※追記:11月30日午前8時48分、東京湾岸署から身柄を送検された鬼束ちひろ薬物検査の結果は陰性で、当時は飲酒もしていなかったことが明らかになった。